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初めての「芝浜」を立川談春さんの玉響で聴いた話
落語界隈にハマってから、誰のどの落語をまず観に行くべきか悩みながらYouTubeを泳ぐうちに、立川談春さんという落語家に行き着いた。
女性には賛否あるらしい、けれども非常に有名で人気のある「芝浜」を、どうやら葛藤含めて聴かせてくださるとの話で興味をひかれた。
ここからは立川談春さんが聴かせてくれた本来の芝浜と談春さんの芝浜の噺の感想を。
芝浜という噺の内容を全く知らず聴きにいった。
前半は酒にだらしない亭主とそれに振り回される女房の、それでもどうやら愛はあるらしい夫婦の日常。
ようやく送り出した亭主が財布を拾ってくる非日常へ変わったけれどそれを夢とした女房。
どうしようもない男の堕落と賢明な女の判断。
ふむふむ、ええやん!
賢い女に手のひらで転がされる、才能ある可愛い男の話、好きよ。
そこから聞かせてくれた続きは、リアルの芝浜と理想の芝浜、と、私は受け取った。
お互い罪悪感を抱えながら、懸命に生活して、結局罪悪感に勝てずに告白しちゃうの。
かわいい女だし、惚れてんだね。
こっちが幸せを実感してるのに、幸せかなあって言われるとキレちゃうの、そうだよねw
幸せを感じていてほしいし、好きな男には好きなお酒を飲んでほしい!そりゃ分かる!
ちゃんとやりがい持って仕事して、ほどほどに飲んで、やっぱりうちが幸せだなあって言って欲しいよな。
とはいえ、酒をやめたアル中にはもう一滴も飲ませないのが圧倒的に正しい。(そういう問題ではない)
私が談春さんの芝浜で感じた、リアルと理想。
かろうじて情で繋がってた10点の夫婦が、財布を起点に60点になり、告白したことでこの先変わるんだかどうだかっていう噺と
財布から70点になり、告白後に90点になりそうな夫婦の噺だった気がする。
現代の、女の立場からすると。
また違う人から聴けば違う印象が生まれるのかもしれないなあ。
ひとりの噺家から広がる世界で、物語に没入できる幸せ。
落語を好きになるためにこの会を選んで、良かったなあ。