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【兵庫県知事問題】公用PCのプライバシー情報

兵庫県の文書問題に関して、局長が所持していた公用PC内のプライバシー情報の中身についての議論が紛糾している。
きっかけは、高橋洋一チャンネルやReHacQ(リハック)等、影響力の高いYouTubeチャンネルでの言及が拡散しているからだ。
「公用PCの中身が分かれば、全てひっくり返る」と考えている者も多いようだ。

実際のところ、このテーマを継続して追い、広く情報を得ている者であれば、プライベート情報がどのような種類のものかについては、おおよそ見当がついている。
その上で、できる限り想像力をたくましくしたとしても、告発書に対する県の対応の是非と公用PCの中身が関係するとは思われない。

なぜなら、当該プライバシー情報が見つかったのは、県が「通報者を徹底的に調査する」という意志決定を下した後だからだ。
また、公益通報の専門家である上智大学の奥山教授が言っているように、
「内部告発の内容と内部告発者の人格はさほど関係はありません。
内部告発した人がどんな悪人であってもえ内部告発の内容が真実であるということはあり 得ますし、逆に内部告発した人がどんなに正直な人であっても誠実な人であっても 内部告発がま誤解に基づく思い込みである可能性もないわけでは無い」と言えるからだ。

公用PCのプライバシー情報が公開されても、せいぜい我々野次馬の下世話な好奇心を満たせる程度のことなのだ。

このように単純な論理的な仕分けで整理できるように見えるこの議論がこじれているのは、その後局長が亡くなり、その責任は斎藤知事にある、という別の議論が生じているからだ。
記者会見や百条会議での「道義的責任」を求める声もその議論の延長線上にある。

局長の死の原因について可能性として囁かれているのが、プライバシー情報を公にするという脅迫を受け、それを苦にしたのではないかという説だ。
これは一定の信憑性はあるものの、現時点で何かしら確実なことが判明している訳では無い。そんな中、その責任を直接的に斎藤氏に負わせるのはさすがに無理がある。
もちろん、その一方で公用PCの中身が何であれ、斎藤氏や県の対応が正当化される訳でも無い。

それではこの問題、どうケリがつけられるのだろうか。
あってはならない事だが、知事選の投開票日である11月17日までの間に何らかの形でリークされる可能性が高いと考える。なぜなら知事選がここまで話題になり、乱戦になる様相を見せている中、旬な話題で集客を図るメディアを排除することはできないし、関係者による暴露も考えられるからだ。
そしてそれは、オールドメディアではなく、YouTubeを中心としたSNSだろう。

もっとも、そのリークが必ずしも斎藤陣営にプラスになるとは限らない。
なぜなら既にこの話題に関する期待値はかなり高まっており、それが斎藤氏の支持率に反映され始めている。したがって、リークされるタイミングや内容次第では、「知っていた、だから何?」とか「思ったより大したことなかった」と、かえって支持率を下げる可能性もあるからだ。

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