長編小説「ウンコ」④
アドールは眠っている様だった。
30センチはあるだろう巨大な一本グソ。このようなものが今目前に在る。この事実は私にとって美しい奇跡でしかない。便器を泉に見立てたデュシャンもきっと巨大な一本グソをしたにちがいない。きっと私のように、ウンコに取りつかれ侵犯の衝動にかられたのだ。ああ、私は今まさに禁を犯そうとしている。アーサー王が泉から聖剣エクスカリバーを引き抜いたように、アドールを素手で泉から引き抜いてみたいという衝動が襲ってきた。激臭の聖剣。美しい奇跡。アドール。ああ、私は引っこ抜くわ。アドールを。この恐ろしいほどに臭くて、そして美しいアドールを!!私は引っこ抜くのよ!神よ!あなたは存在した!!
つづく