【詩】糸
家賃が払えなくて
部屋をおいだされたときとか
算数の教科書の
足し算がいっぱいのってるページの
宿題がまったくできなかったときとか
仕事ができなくて
四面楚歌になったときとか
男の人を愛するとか愛されるとかが
さっぱりわからなかったときとか
親友が新しい親友をみつけて
私から去っていったときとか
私のちょっとしたそうした絶望の寄せ集めが
誰かさんの痛みに少しだけつながっているとして
だから何だと言われたら
何も言い返せないのだけれど
誰かさんの幸せやなんかも
私と細い糸ででもなんででも
つながっていたらいいと思った