【詩】手術の日
お父さんの入院
今日は手術の日
面会人数はたったふたりしかだめだって
だから私は夫とふたりで
面会開始時間ぴったりに病棟にあがったのに
お父さんは30分も早く手術室へ行くことになっていて
あとちょっとで顔がみれないところだった
背の高いはずのお父さんが
車いすにのると小さく見えた
”いってらっしゃい”
お父さんを送り出したあと
ひりひりするような時間を
病院の近くの公園を散歩したり
カフェでホットドックを食べたりして過ごした
お父さんの病室の窓からの眺めは六甲山がみえて素敵だった
予定より1時間遅く病室にお父さんが帰ってきた
麻酔から覚めたところでまだ意識ははっきりしないのに
義理の息子に向かって
”Kくんがいてくれてよかった”
とだけ言ったから
私の夫は涙目になっていた
”手術は成功しましたよ”とDR
お母さんに電話したら
連絡があるまで体が震えてしかたなかったって
手術がうまくいったことを伝えると
お母さんは”暖房を入れるわ”と笑った
長い一日が終わった