統計④ 相対危険度・オッズ比
<相対危険度:relative risk(RR)>
→ある状況におかれた人と,おかれなかった人である病気になる危険度(リスク)の比を示すもの.倍数で示す.=病気になる確率
RR=1の場合,比較したグループ間である病気になる確率は同じ
例:男性と女性における前十字靭帯損傷発症の性差について ※以下数字は仮想である.
1年あたり男性の発症数:5人(500人中)
1年あたり女性の発症数:15人(500人中)
➡︎男性の発症率:5/500=0.01=1%の確率で発症する
➡︎女性の発症率:15/500=0.03=3%の確率で発症する
つまり,女性は,男性の3倍の確率で前十字靭帯損傷を発症する
すなわち,RR=3となる.
★後ろ向きのケース・コントロール研究では,相対危険度を求めることができない
<オッズ比(odds ratio:OR)>
→ケース・コントロール研究(後ろ向き研究)に使われる.
そもそも英単語のoddsの意味→ある状態(出来事)が他の状態(出来事)に比べて起こりやすい確率=ある出来事が他の出来事に比べて,どのくらい高い確率で起こりやすいかを現す.
医学におけるオッズとは,ある状態である確率をその状態でない確率で割った値をいう.
★後ろ向きのケース・コントロール研究の結果からは,相対危険度を求めることができない!!
オッズ比(odds ratio:OR)→ケース・コントロール研究で”ケース”でのオッズを,”コントロール”でのオッズで割った値
★相対危険度は臨床的に有効だが,オッズ比自体は臨床に役に立たない
★稀な病気に関するケース・コントロール研究を施行した場合,オッズ比≒相対危険度 となる
つまり,オッズ比は相対危険度を求められないケース・コントロール研究で相対危険度の代用として使用される
んーーー,難しくなってきた...使う時になったら復習しよう