Artiste55話から、ジルベールとマルコは出会えて良かったね~という話
Artisteの最新55話読んで、昨日の夜中に1話から見直すなどしていたら、寝坊してハイキングに行けなかった。
55話は、バカンス期間にマルコの実家にジルベールが行く話。マルコの姉のリカや夫のウジンも再登場。お母さん、ばあちゃんは初登場。
マルコとリカの実家はマントンにある。イタリアとの国境にある海辺の町だ。レモンが名産で町中に生えている。
「レモン好き?」
「リンゴのほうが好き」
「も~」
この人は、といういつものやりとり。
親しい人には雑になるというジルベールの素っ気なさと、それをしょうがない人だなぁと好意的に流すマルコのやりとりが仲の良さを感じて好きだ。
リカ夫婦と4人で街歩きをして、休憩中に、会話の流れでジルベールの故郷の話になる。ジルベールの故郷で行われる有名なクリスマスマーケットに行ってみたい、と無邪気に話すリカを、マルコがさりげなく(でもないが)さえぎって、買い物に連れ出す。
マルコはめちゃくちゃに空気が読める男なので、過去のやり取りや言葉の端々から、ジルベールが家族に複雑な思いを抱えていることを察している。リカの話が家族につながる話にならないうちに、切り上げようとしたのだろう。
ジルベールは激ニブ鈍感男なので、気遣われていることにも気づいていない。たぶん。
残されたジルベールとウジン。ウジンはジルベールに、過去のマルコの話をする。
出会った当初は距離を詰めすぎて拒絶されたという。
「常に他人と一定の距離を保っているというか 深く知ろうとしないし深く知られたくないような感じがした」とウジン。
その印象が変わったのは、リカとの結婚式の話をしている時期のこと。
マルコはウジンを知り合いに似て「裏表がなくていい人」と言って結婚を祝ってくれた。
ウジンはジルベールと出会って、「知り合い」はジルベールのことだろうと気づいたという。
以前リカからもマルコには深い付き合いをする友人がいないことについて言及があったけど、思ってたよりガード堅かったんだなぁ。
*
マルコは自分でも自覚しているように、誰とでもうまくやれる。ただ、特別親しい付き合いは避けてきた。その場の空気や他人の感情を読んで、ノリを合わせて軽い付き合いをするのは得意だけど、幼少期のサッカーを辞めた際のエピソードから思うに、他人の悪意にも敏感なんだろう。だから線を引いて、近づきすぎないようにしてきた。
ジルベールはエルザ曰く「人が傷つくようなことや誰かの陰口」は絶対に言わない。つまりはマルコが言う「裏表がなくていい人」だ。
ジルベールにとってマルコが初めての友達だったように、マルコにとっても、ジルベールが初めての友達だった。他人との付き合いに臆病、という点では二人は似ていたのかもしれない。
ジルベールの人付き合いの苦手さは、他者から与えらえるかもしれない悪意への恐怖や嫌悪からではなく、自分の言動や存在が他者へ不快感を与えることへの恐怖から来ているようだった。父親との関係性が影響していそうだけれど、そのあたりはいずれ明かされるのだろう。
そんなジルベールも最近では、他人に自分の意見が言えたり言えなかったり言えなかったり、になり、職場環境もご近所づきあいも良好だ。
マルコとはすっかり仲がいい。これは距離を詰めて親しくなる方法を知っている、という点においてマルコの努力によるものが大きそうだが。
ジルベールがマルコと出会って、さらに職場や居住環境が変わって、成長して変わってきたように、マルコもジルベールとの出会いをきっかけに変わった部分があるのかもしれない。
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