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イギリスで一日だけベビーシッターをした日の話

ロンドン郊外の町に住んでいたことがある。
歩いてテムズ川まで行ける距離の家にホームステイをしていた。

その家庭には2人の子供がいた。当時9歳と11歳のきょうだいで、いつもふざけて笑ったり、大声で喧嘩したり、にぎやかなきょうだいだった。9歳の子供はアクターになるのが夢であった。

イギリス滞在中、わたしはしょっちゅうミュージカルや舞台を見に行っていた。

ある日、ホストマザーから、2人の子供たちがライオン・キングを見たいと言ってるから、連れていけという。
昼食代、交通費、チケット代はもつから、連れて行ってほしいと。

一日だけの子守(ベビーシッター)である。

イギリスでは、住み込みで子守をするAu Pair(オペア)をしながら学校に通っている学生がたくさんいた。オペアは基本的には子供の世話なので、子供に朝ごはんを出したり、学校への送り迎え、おやつ、軽い夕食を食べさせたり。あとは洗濯ものをたたんだりするようだ。

そういう人たちから、子供たちの世話が大変という話を聞いていたが、わたしは1日だけだし、ライオン・キングは面白そうだし、チケット代もってくれるならラッキーと思い、快諾した。

2人の子供はいつもやんちゃだが、その日だけはいい子にしてくれていた。日本人の私がちゃんとセントラルロンドンまで連れて行ってくれるのか心配していたのかもしれない。

ライオン・キングが始まるときの子供たちの目の輝き、わくわくの表情を覚えている。素晴らしいミュージカルで感動した。

ミュージカル鑑賞後、バーガーキングに行って食べた。全員セットを注文した。私がハンバーガーから食べ始めていると、子供たちが、「メインから食べるの?」と不思議そうに聞いてきた。子供たちはポテトから食べて、ポテトを食べ終わってからハンバーガーを食べていた。

バーガーキングを出た後、テムズ川沿いで少し遊んだ。遊んだといっても、ちょっとぶらぶらしただけである。子供たちは、ここに来る途中に、私が買ってやったスーパーボールで遊んでいた。しばらくぼーっとしていると、上の子が頭を抱えてすごい困った表情で戻ってきた。「スーパーボールが川に落ちちゃったよう!」と半泣き状態である。その顔をみておかしくてしょうがなかった。

懐かしい思い出です。

書いているうちに思い出したが、そういえば映画にも一度連れて行ったことがあった。ベビーシッターは1日だけではなかった。

それについては、また後日書くことにする。



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