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【L'Arc-en-Ciel LIVE 2025 hyde BIRTHDAY CELEBRATION -hyde 誕生祭-】L'Arc〜en〜Ciel at 東京ドーム 1/19

経緯

L’Arc〜en〜Cielを見てきました〜
hyde(vo)の生誕祭と銘打った今回の公演。昨年もツアーがあったため、本公演の開催発表時にはまさか2年連続で活動を、しかも単発でライブをするなんてと驚いてしまいました。
そして昨年のツアー同様、今回も大学の先輩に誘われて行くことに。
ラルク、前までは一生に一度でも見られればいいなあと思っていたアクトの一つだったのに、2年連続で見ることになるとは。結局見られなかったアクトもいる一方、こんなラッキーなこともあるんですね。

当日は16時ごろに水道橋駅に到着。
駅を降り、人の流れに乗って東京ドームを目指しました。
ドーム周辺は人混みで歩き回るのは難しいくらい。あちらこちらにドエル仲間で集まっている人々や何かの列があり、その間を縫うように進みました。
今回のライブのスケールや、立地(ドームシティ等他の観光地も隣接している)を考えると当然ですが、なにぶん前回の代々木第一体育館公演のノリで来てしまったので、この混雑には少々面食らってしまいました。
それでもなんとか大学の先輩と合流し、入場。
ここでクラッカーを分けてもらったので、手に持って入ったわけですが、入場口ではご丁寧にクラッカーのサイズを測る即席の測りのようなものまであって驚き。こんな荷物検査は初めてでした。
この日の席はスタンドの最下層。それもホームベースに近い辺りということで、ステージが一望できる良い位置。
東京ドームに来たのは異次元フェス以来2回目だったわけですが、前回がスタンド最上部だったので、今回も同じスタンド席とはいえステージの近さに驚きました。
席に着いた時点で開演までまだ30分ほどありましたが、かといって他にすることもないので大人しく席に座って待機。
でもまあ暇なので同行者と会話しつつ、時折辺りを見渡しつつ時間を潰していたわけですが、そうしていると気づいたことが一つ。
ビールの売り子さんが場内(おそらくスタンド席のみ?)を回っているんですよね。
野球観戦では恒例ですが、さすがにライブでは初めて見る光景でした。確かに背景は東京ドームのスタンド席なので場違いという雰囲気はないのですが、それでも屋内の大規模会場のライブ開演前の一幕と考えるとちょっとシュール。こういう会場は飲食物の持ち込みも厳しいような印象があるので、余計に違和感がありましたね。まあ東京ドームはライブの時でも会場内の売店は平常運転ですし、そういった点では、普通のアリーナやホール系の会場とは違う個性を感じられて面白いですね。
そんな中、ルシエルちゃん(ラルクの公式キャラクター)のMCや、L’ライトの動作確認などが度々行われ、段々とライブに向けた雰囲気が高まっていきました。

ライブ

17時過ぎに開演。
一瞬客電が半分くらい落ち、開演か!?という雰囲気が漂うも何も始まらないという謎の瞬間がありましたが、その後無事にちゃんと暗転し、開演しました。
まずはステージ裏の3面にもわたる巨大なスクリーンで映像が流れ始めたのですが、これがまた豪華。煙の中からメンバーの顔が現れるシーンや、hydeがガラスを頭突きで突き破るシーンなど、とにかくクオリティーが高く、これだけでも見に来た価値があるほど。ラルクというバンドの規模感と神秘的な存在感を補完するクールな演出でした。
そしてライブは「DRINK IT DOWN」からスタート!!!!
そこに続くのはダークな選曲。遂に生で聴くことができた「XXX」や「CHASE」など、ダーツかつハードなナンバーが矢継ぎ早に繰り出されていきました。
そんな雰囲気も中盤になってくると軟化。とりわけ、蒸気機関車の映像をバックに演奏された「fate」の美しさといったら。霧が立ち込める冷ややかな高原のような、淡くも凛とした佇まいはやはり格別ですね。ken(gt)のパワフルかつ透き通ったトーンも音源そのまま、というか生演奏のパワーでそれ以上のものに聴こえました。
そしてこの辺りまでMCは皆無。確か「In the Air」の前後でやっと入った記憶があります。
「The Fourth Avenue Cafe」で少し明るめな雰囲気になり、これに続いたのは「metropolis」。音源とは違うアレンジから入ったため、最初は全く分からず。歌が入った瞬間に思わず声が出てしまいました。このアレンジってライブで結構披露しているものなんでしょうか。やはりまだまだこのバンドのことは全然知らないなあと痛感させられてしまいました。
「HONEY」もしっかり演奏。食傷感を覚える人もいるのかもしれませんが、自分はラルクバージョンを生で聴くのは初めてだったので感激。前回はセトリに無かったので…。昔コピーしたことがあるため、やはりhydeよりもkenに注目してしまいました。やっぱギターソロはしっかりアレンジしていますね。次この曲を弾く機会があったら自分もあれくらいアレンジしてやろうと思いました。
本編の締めは「Shout at the Devil」。
メンバーが捌けた後、スクリーンにはデカデカとウェーブを促すメッセージが。
それに従ってウェーブが発生したわけですが、誰かが音頭をとっているわけでもないため、各所からバラバラなウェーブが会場内を行き交うこととなりました。
しかしそれが砂浜に打ち寄せる波のようで、一周回って自然の美しさが再現されているようでした。
程なくしてメンバーが花道の果てに設置されたサブステージに現れ、「真実と幻想と」からアンコールスタート。
ここで一瞬kenのギターにトラブルがありましたが、なんとか続行。ここまでの流れや同期音源の関係上、絶対に止められないという雰囲気の中、慌ただしさを見せるメンバー+スタッフからただならぬ状況が察せられましたね。もう止まるか…と思っていたらギターの音が鳴りだしたのでホッとしました。
そして、その後のMCでも少しひりついた空気に。hydeがマイクを握り話し始めたのですが、感極まったのか言葉に詰まったり、終わりを予感させるような言葉を口にしたりと異様な雰囲気。
確かにhydeが思ったよりふわっとしたMCをするのは前回のツアーで体感しましたが、その時とも違う違和感がそこにはありました。
その時ふと自分の脳裏をよぎったのが、もしかして今後悪いニュースが発表されるのではないか、という予感。
そしてどうやらそれは自分だけではなかったらしく、段々と会場の空気が張り詰めていくのを肌で感じました。
まあ結局、流れで先ほどのトラブルの話になり、原因がkenがピックをギターの弦に挟んでいたせいということが判明し、あまりに初歩的なミスということで場が和んだので落ち着いたんですけどね…。あれ、なんだったんだろう。
「ALONE EN LA VIDA」後、待ちに待ったHAPPY BIRTHDAYタイム。
何といってもこの日はhydeのバースデーライブなので、ちゃんと誕生日を祝う演出があるわけです。
リハーサルを一度行った後、「Happy Birthday to You」の伴奏が流れ、オーディエンス側が合唱。そして、321のカウントダウンでクラッカーを鳴らす、という流れでした。
5万人が一斉に鳴らすクラッカーはさすがに壮観で、同時にステージ側から射出されたスパンコール的な何かの煌めきもあり、さながら終演後のような一体感がありました。
それでもライブは続き、この辺りで新曲の「YOU GOTTA RAN」を披露。
この曲はメタリックなリフが最近の曲の中では異質で、強い個性になっています。それはライブでも変わらず、最近の曲特有の空気感ではありますが(客側の期待感とか感度とか)、「ミライ」などとはまた受け取られ方が違うように感じましたね。この曲のスタイルはニューアルバムではどう生きてくるんでしょうか…。
「Caress of Venus」に続いて演奏されたのは「READY STEADY GO」。
これもコピーしたことがあるので嬉しかった曲の一つ。しかもリードギターとボーカルの2パートを(それぞれ別の機会ではありますが)担当したことがあるため、やはりhydeとkenから目が離せないという結果に。”標的はもう見逃さない”で打ち抜くポーズをしていることなど、仕草まで含めてじっくり観察してしまいました。(一方“埋もれた真実 この掌でつかみ取ろう”の部分では何かをつかみ取る動作もしていました。真似してみようかな…。)
ラストは「あなた」。
途中からhydeはオーディエンスに歌わせ、ステージ上で寝転がり始めました。その姿は、カメラに射抜かれスクリーンにデカデカと映り、そこには5万人もの歌声をしっかり噛み締めるように聞いているhydeが。先ほどのMCからも察せられる通り、おそらくこの日のhydeはどこかブルーな気分もあったのかと邪推しますが、そんな中聞こえてくるのは5万人の大合唱、それも自分(達)が手がけた歌を歌っている、という事実に何か思うところがあったのかなあと思います。
これでアンコールは終了。
他のメンバーがステージを降りていく中、hydeはステージ左右のファンの近くまで歩いて行く暖かいファンサービスを行なっていました。そしてhydeがステージの中央を通ると、メンバーがサッと出てきてプレゼントを渡す、といった一幕も。tetsuyaなんてレッサーパンダのリュックサック渡してましたね。
なお、hydeがステージから捌けた後には、スクリーンにチラホラ告知が。その最後には35周年(おそらく2026年)にも何かすることを仄めかす告知が出て、会場がドッと湧きました。とりあえず来年も何かやってくれることが決まったので、一安心ですね。

さて、感想なんですが、まずはhydeについて。
この日は色々なところでシャウトが多かったなという印象。曲中のちょっとしたアドリブだったり、MCでの煽りだったり、とにかく色々な場面で使っていました。
確かにソロはしばらくラウドロック路線を追求していて、その成果をラルクにも持ち込んでいるといった感じでしょうか。実際かなり本格的なスクリームを出すようになってきていますし。
ラルク自体にも元々「AS ONE」のようにニューメタル等より影響を受けた曲があったりしますが、本格的なスクリームを導入しているナンバーはないため、今後はそれを期待していいんでしょうか。まあ楽しくてやってるだけで、音源には反映されない可能性も多いにありますが…。
一方、MCは相変わらず緩めでふわふわした感じ。まあ前述した「ALONE EN LA VIDA」の前は緊張感が走りましたが…。なんか無言の時間が続くな、と思っていたら話題も終わりに関するものですし、聞きながら段々鼓動が早くなっていくのを感じました。結局なんともなかったみたい(多分)で良かったです…。
kenは芯のあるサウンドがとても気持ちよかったです。
シングルコイル特有の雑味を削ぎ落とした音が輪郭をしっかり保ったまま前面に出てくる存在感は見事。特に「fate」のイントロで聴くことができるような単音フレーズでは艶と一音一音の太さに絶頂しました。
fenderからシグネイチャーモデルが出るだけありますね。メタラーの自分でもfenderのストラトが欲しくなってしまうくらいの魅力でした。
そして、「接吻」内のソロコーナーでは、そのいかにもfenderらしいサウンドで速弾きっぽく弾き倒していました。個人的には多彩なサウンドとカッティングなどが持ち味のプレイヤーだと思っていたので、ここまでシンプルなテイストは意外でしたね。
確かにしっかり曲を聴くと随所でフルピッキングの速弾き的なプレイを見かけますが、こういうところでやるほど染みついたプレイスタイルだとは思っていませんでした…。
ちなみに後でWikipediaで調べたところ、メタルやハードロックも好きみたいということが判明し腑に落ちました。
なお、MCではしっかり下ネタ。そのおかげで張り詰めた空気が和みました。
そして前述した「真実と幻想と」のミスですが、プロでもあれやらかすことあるんだ…という驚き。やはりいくら凄腕のミュージシャンといえどしっかり人間なんですね。やっぱりライブのこういうアクシデントは人間らしさを感じられて好きです(バンドやスタッフはたまったものではないでしょうが)。予期不能な出来事が起こるからこそリアリティーが増しますし、その出来事はその場にいる人だけが現実味を持って共有しているという特別感も嬉しいし、あの時その場にいてさ…というエピソードトークにもなりますし。個人的にはライブの醍醐味の一つだと思っています。
tetsuya(ba)は…やっぱりベースラインがとにかく動きますね。
まあラルクの曲のベースラインですから当たり前ですが、それでもやはりよく動くなあと新鮮な感覚で驚いてしまいました。
また、それだけ動いてもバンドのアンサンブルとしては違和感がないんですよね。ドラムと絡むどころか自由自在のようなフレーズなのに、不思議と合わせて聴くとバンドの一ピースに収まっている事実。派手すぎず、地味すぎない主張のバランス感覚が巧妙ですね。
一方、一転して「接吻」後のソロコーナーではファズ的なひりついた歪みを効かせたサウンドを使用。こうなると一気にギアを上げてきた感覚があり、これもまたバンド内では見られない違った一面で興味深いものでした。
このように様々な点でこの界隈(あえて濁しています)では随一のベーシストですね…。存在感や打ち出している個性ではピカイチでしょう。
一方、MCでは終始穏やか。hydeに渡していたプレゼントもレッサーパンダのリュックと可愛いセレクトでした。
さすがはリーダーといったところでしょうか。この落ち着きには全幅の信頼を置けますね。
yukihiro(dr)はやっぱり機械的なドラミングが特徴的。
フィルイン等は細かく手数は多いのですが、そこまで派手には見えないのが巧妙。一音一音がサラッと流れていく感じがします。音がそこまで大きくなかったり、強弱の振れ幅を抑えていたり、音作りの意識など、様々なポイントにこだわりを感じました。
そしてこのyukihiroの立ち位置がこのバンドをまとめている重要なファクターなんだと思いますね。この日もシンバルのハイがきついとかキックがやたら強いとかそういうこともなく、他のバンドではありがちなドラム周りの音響的な問題は皆無と言って良いほどでしたが、それには彼のこだわりも結構影響しているのではないかと思います。
基本的にはバンドを支える役割を担いつつ、彩りも忘れず、と言う姿勢が他のメンバーの個性と上手に共生してL’Arc〜en〜Cielとなっている、と言う事実を改めて確認することができました(今確認したら去年ラルクを見た時もほぼ同じ感想書いてました…)。
個人的には、強弱は強くド派手なプレイをするタイプのドラマーが割と好きなのですが、それはそうとしてyukihiroのプレイには惹かれました。Petit Brabanconとかでももっと注視してみたいところ。
なお、MCでちょっと話すと場内は大盛り上がり。hydeとkenから振られた流れだったので、当然かなあと思って見ていましたが、もしかして普段はこういう流れでも話さないの…?
確かに去年の公演では一言も発していなかったような気がしますが…。

個人的には、バースデーライブというフォーマット特有の演出も新鮮でした。
普段ライブを見るアーティストでそんなハートフルなライブを見ることないので…。そもそも開演から終演まで真っ暗、みたいなアーティストもいますし。
こういうのも和んでたまにはいいなあと思いました。たまにはこういうプラスの空気感に浸りたい時もあるんです。

最後に、出音がドームにしてはクリアだったのが嬉しかったです。
もちろんある程度低音がボワボワ響いたりはしていたのですが、問題あるほどではなく。
バンドサウンドはそれぞれの音を食ってしまうことなく共存できていましたし、hydeのボーカルも歌詞が聞き取れるくらいには明瞭。
同期音源も序盤こそキンキン響く瞬間がありましたが、全体的には調和していたと言えるでしょう。
全体的にかなり良い出来で、ストレスフリーでライブに集中することができました。
DEZERTの武道館ライブも音が良かったと耳にしましたし、MAVERICKのスタッフって優秀何ですかね…。オーディエンス側としてはありがたい限りです。

総括

以上、L’Arc〜en〜Cielのライブの感想でした。
年末年始はバタバタしていて、正直ラルクの曲をそこまで聴き込むこともできないまま向かった今回の公演。
そのため分からない曲もちらほらあったのですが、結果的には大満足でした。
というかあの瞬間よりもその後の方が幸福度が高いんですよね…。
事実ライブからもう1週間以上経ちますが、まだ全然余韻が残っていますし、ラルクの曲ばかり聴いています。
特に、今まであまり知らなかった「ALONE EN LA VIDA」のメロディーが頭に残って離れないんですよね…。いや、早くもう一度見たいです。他にも後から”この曲今回やってたのに…なぜあの時はふーんで流したのか…”と思う曲がたくさんあるため、早く生でもう一度聴きたいです。切実に。
もう今年中は活動ないんですかね。万博関連で何かアクションがあるのでは、という話も耳にしましたが、果たしてどうなることやら。
少なくとも来年に35周年のビッグイベントが何かしら開催されることは決まっているっぽいので、そちらには参加したい所存であります。
さて、次のライブは2/11のLINKIN PARK!!!!!
ビッグネームが続きますね。切り替えなきゃ…!

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