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【Kalmah Japan Tour 2024】Kalmah / Ethereal Sin / Suotana at 新宿BLAZE

Kalmahを見に行ってきました〜
以前から名前だけは知っていたKalmah、それでも聴いたことはなかったので、この来日ツアーもスルーかなと当初は思っていました。
しかし、ある日気まぐれで聴いてみたらこれがまた心に来るメロデスだったわけで。気がついたら東京公演のチケットを買っていました。
というわけで、1/14の17:30ごろには新宿BLAZEの前に着弾。
他のバンドのBLAZEでのライブより前のスペースで溜まっている人が少なかったので、客入りに不安を感じましたが、いざ入場するとフロアはかなりの人。
Suotana開始時にはPA卓周りのフロアを閉めていたものの、その後開放し、結果的には8割ほどの埋まり具合でした。
そんなこんなで思ったより混んでいるフロアに驚きつつも、ハイネケン片手に後方左寄りの位置を確保してSuotanaを待ちました。

Suotana

開演時刻18時ちょうどに暗転し、現れたのはSuotana!!!!!
髭に長髪にノースリーブのジャケットにローブに…といういかにもなルックスにヴァイキングっぽさが感じられて、それだけで沸るものがありましたが、音楽性も正にそんな感じ。
北欧らしい寒々しくも美しいメロディー(あまりに冷たくて時々ブラックメタル臭がする)とエクストリームメタルの熱量が交わり合っていて、イベントの雰囲気を確立させていました。
そりゃチルボドみたいにキラキラして分かりやすいフックがあるわけではないけれど、スラッシーなリフがガツンときたり、キーボードとギターのユニゾンがあんまりにも美しかったりと、確かにメロデスファンのツボを突くポイントがあるところにKalmahっぽさも感じましたね。
ボーカルのスタイルは、唸るようなグロウルとブラックメタルっぽいスクリーム(?)を行き来するような感じ。後者はそれほど顕著ではなく、感覚的にはAmon Amarthのような雄々しさを感じるタイプのボーカルでした。
演奏やパフォーマンスは割とライブ慣れしていて、スマホのライトを振らせる演出までありました。それやるメロデスバンド、なかなかいないと思う。
音が全体的に良く聞こえていたのは良かったですね。ギターが少し小さかったのは残念ですが、それ以外は問題なし。BLAZEの良さが出ました。
MCではフィンランドの外でライブをするのは初めてだと言っていた彼ら、次はもっとビッグになって再来日してくれるといいなと思います。

Ethereal Sin

2番手はEthereal Sin!!!!!
このツアーのプロモーターであるEvoken de Valhall Productionの公演ではお馴染みのこのバンド、観るのは初めて。
ですが前から名前だけは知っており、昨年リリースされた新譜も聴いていたので、ちょうど気になっていたところでした。
ライブが始まったのは19時ごろ。
暗転と同時にSEが流れ始め、幕が開くとそこにはコープスペイントを施した集団が。
簡潔な英語のMCを挟みつつ、メロディアスなブラック/メロディックデスメタル調の楽曲を次々と繰り出していくスタイルで、このまま淡々とライブするタイプのバンドかなと思っていたら中盤で突如MCタイム。照明も明るくなり、日本語でのMCが始まりました。
Suotanaとの熱いエピソードや天気の話など、急に和やかな雰囲気になり、会場も少しほっこり。
その後はMCタイムをもう一度挟んで(機材トラブルがあったように見えた)、合唱パートのある「九百九拾九本ノ劔」で締め。
45分ほどのライブでした。
このバンド、結論から言うとかなり良かったですね。
まず、生で聴いて実感しましたが、音楽性が今日の客層に完全にマッチしていました。
1番にガツンと来るのはその美しいメロディー。北欧の寒さにパワーメタルの熱さを少しだけ加えたような、そんなメロディーライン。特に「迦楼羅の如く」。この曲のフレーズに惚れないパワーメタラー/メロデスファンはいないでしょう。それくらい心を揺さぶるメロディーが要所要所で待ってましたとばかりに現れる。
これが歌いたくなるようなメロディーで(実際「九百九拾九本ノ劔」では合唱させてましたし)、本当に昂っちゃうんですよね。
そしてそれだけでなく、トレモロリフやシュレッド、スラッシーなリフも次々に炸裂。メロデス/メロブラにおいて重要な暴虐的な側面もしっかり備えていました。
吐き捨て型に近いボーカルスタイルも、この音楽性にマッチしていて良かったですね。メタルコア的スポーツ感ではなく、ブラック/デスメタルの不健康っぽさが際立っていました。
また、演奏面としても安定していました。
流石に後述するKalmahほどにはタイトではありませんでしたが、それでも個々の技量に問題があるわけではなく。特に、上手のギタリストのシュレッドは正確で見応え(聴き応え?)がありました。
音響面としても、そのリードギターのサウンドが前面に出てくる構成となっていて、このバンドの良さが活きたかなと思います。一方で、下手ギターの音が全然出てなかったのは残念ですが…。
前述した通り、ルックスの世界観は抜群でしたね。単なるブラックメタルっぽい衣装と言うだけでなく、作務衣感のある和風の衣装が個性的でいいなあと思いました。しまいには錫杖まで出てくるという徹底ぶり。ジャパニーズ・ブラックメタルですね、これが。
Ethereal Sin、思わぬ伏兵でした。近いうちにまた見たいですね。日本のバンドだし、このプロモーターの公演では常連なので、チャンスが多そうなのは嬉しいです。

Kalmah

最後に登場したのはKalmah!!!!
Kalmahも観るのはもちろん初めて。というか先週まで名前しか知りませんでした。そういえば来日するんだっけ、とふと気になり聴いてみたらしっかり好みのメロデスで。そんなこんなで見に行くことにしました。
本日三度目の暗転から始まったのは20時ごろ。
小粋なジョーク(あまり伝わってなかった)を挟みつつどんどん進んでいくスタイル。
自分はこのバンドについてほぼ無知も同然なのでアレですが、なんでも往年の名曲を詰め込んだ王道セトリだったようでした。
確かに、曲前のタイトルコールでやたらフロアが沸くなあと思っていましたが、そんな良いセトリだったんですね。
最後はアンコールを行い、「Hades」で締め。
個人的には新譜からの曲で、スラッシーな「Haunted By Guilt」を聴くことができて満足しました。
いや、これぞ北欧メロデスというライブでした。
独特の冷たさと色を持ったメロディー(ヨーロッパのフォークメタルにも通づるものがある)と、メタルらしいアグレッションの両者を高いクオリティで備えていて、一音一音が完璧。
また、生で聴いて分かったことですが、曲の構成が巧み。メロディーとリフワークが緻密に織り込まれており、複雑かつ様々な要素を感じるフレーズが流れるように紡がれていくんですよね。この点では他の同類のバンドとは一線を画していると思います。
そして、やはり演奏が上手い。今日ダントツでしたね。Twilight Forceの時も思いましたが、このレベルの公演でトリを務めるバンドは安定感が段違いですね。何の心配もなく聴くことができました。
唯一残念だったのは音のバランス。ドラムの音量に比べて他の楽器の音が小さく、少しパワーに欠けるような印象を抱きました。ベースの輪郭もはっきりしていたりと、サウンドの棲み分け自体は上手かっただけに悔やまれます。せっかくスラッシーなリフもあるわけだし、デカい音でガツンと殴られてみたかった…。
とはいえ、素晴らしいパフォーマンスでした。ってか聴きながらこうして感想を書いてるとどんどんKalmah好きになってくる…。早めに再来日してほしいところです。
あと、余談ですが、ギター2人のギターがアレキシモデル(だよね?)だったのが気になりました。やっぱあのギター、めちゃくちゃかっこいいなあ。

以上、Suotana、Ethereal Sin、そしてKalmahの感想でした。
思いつきでふらっと行ってみたら、思いがけない収穫でしたね。
今年はこんな出会いも大事にしたいと思います。

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