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ネットワークビジネスにハマって一家離散した話⑧ ~現実は小説より奇なり~
この物語はフィクションだったと願いたい作者の記憶をここに綴る2015年の物語である。
ケアマネ介護福祉士のブログ
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第八章~唯一の希望~
最早実家には返済能力がないらしい。
そうだ……。
父は働いていた金融会社が倒産……。
現在無職……。
連れ合いは長いこと専業主婦。
会社が倒産した数年前には貯金が1円もなくて家族離散仕掛けたんだったな……。
そういえばその時も修学旅行のお小遣いやら必要な物品購入は私がしたんだったな。
一体この子にはいくら使えばいいのだろう……。
この家にとって、私は最終手段ではなく唯一の手段だった……。
借金の総額は200万円から300万円ほど……。
どうせなら私も払えないような大金なら選択の余地も無かったのに……。
~返済計画~
少し考えながらタブレットを取り出す。
細かい計算をするのに形態では見づらい歳になったのか……。
そしてざっくりと提案をする。
提案は2つだ。
①借金の奴隷
家族全員に監視体制をひき、実家で暮らす。給与は私が管理し申告制のお小遣い制度。
地元の給与水準を考えるとほぼ何もせず会社の往復のみを続けておよそ12~14年程度。
結婚は完済後、出来ちゃった婚などの場合はま消費者金融等への借り換えで一括返済。
私に迷惑をかけない様子にすることが条件。
豪雪地帯の田舎で働く厳しさはここにある。
車というガソリンや税金、メンテナンス等のランニングコストや保険料がかかる上に豪雪地帯ゆえのスタッドレスタイヤ。
それなりに整備されたある程度のグレードや4WDやエンジンスターターなど装備が備わった車を定期的に乗る必要がある。
車を買わなければ就職出来ないが、車を買ったらお金は残らない。
負のループで若者が皆苦しむ中、更に借金を返すという事はそういう事だ……。
②遠洋漁業への就労
幸いにも遠洋漁業をしている港がほど近い……。
2ヶ月間という中でそれなりの大金を持ち帰ることが出来る。
こちらとしても管理しなくていい分楽だ……。
調べると船上で携帯を使えるのは極一部の大型漁船のみ……。
むしろ携帯など使えない方がいいに決まっている。
2ヶ月に1回なら家族の送迎で仕事へ行ける。
車が要らないというのは田舎にとって最大の節約だ。
2ヶ月~3ヶ月をコンスタントに乗りこなして、休みは年間2ヶ月程度。
上手く行けば7〜10年ほどで完済できる可能性がある。
みるみる家族の顔が曇って行くのを目の当たりにする。
だが顔色を変えてコチラを睨んでも私の心情を悪くするだけなのだ。
口を出すなら金を出せ。
家族間と言えど、外の人間となった私には本来お金を貸せることはない。
たまたま独身自体のお金が残っていたからにすぎないのだ…。
私の一存で全てが決まる状況…。
流石に仕事、そのまま運転をした私は疲れもピーク…。
イライラもしているし何より夕食も食べていない。
もう限界は近い…。
答えを待っている中
意外な人物が口を開く…。
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