【ヤフーの1on1 部下を成長させるコミュニケーションの技法】を部下目線で読んでみる
はじめに
私は毎週会社の上司と1on1をしています。しかし話すことがなくなってしまい微妙な感じで「じゃあ今週はちょっと早いけど終わりましょうか」と半分くらいの時間で終わってしまうこともあるんですよね。。。
せっかく上司も自分のために時間を取ってくれているので、有意義な時間にしたいという思いはあるがなかなか難しい。
そこで「そもそも1on1って何のためにやるの?」というところから理解を深めようとこちらの書籍を購入し、部下の目線でどうすれば1on1を上司と部下お互いに実りある時間にできるかを内容をもとにまとめました。
1on1の目的
本書には「1on1は部下のためのもの」と明確に記述されています。
そこに付け足すように、「上司が部下の状況を把握するために行うものではない」とも書かれています。
それを踏まえ、内容の部分では大きく2つがあるように思いました。
それが
経験学習を促進させる
中長期のキャリアの作戦会議
です。
順番に見ていこうと思います。
経験学習を促進させる
成長のサイクルとして以下のようなものが挙げられています。
経験 → 振り返り → 教訓を引き出す → 新しい状況への適用
PDCAに近い感じですが、「教訓を引き出す」の部分が目新しいように思います。
振り返りをした後にしっかり言語化して自身の血肉にするフェーズであり、ここが1on1が担う点です。
上司が部下の話を傾聴(本書の中ではアクティブリスニングとも言われている)し、部下が考えていることを吐き出すことで状況が整理され言語化されやすくなります。
「もともと自分の中ではぼんやりしてたけど、他人に話してたら気づけば自己解決した」なんてこともよくありますよね。
それを意図的に発生させるタイミンが1on1だと理解しました。
また、次の「新しい状況への適用」に向けて具体的なアクションプランを立てることも重要だと書かれています。
「教訓を引き出す → 新しい状況への適用」のところですね。
経験や反省を具体的に言語化し「どうすればより良くなるのか、成長できるのか」を深ぼるチャンスなので部下からするとこれを逃すわけにはいきませんね。
ここで大事だと思ったことは「部下が自分から話をしないと何も始まらない」ということです。
仕事の状況やメンバーとの人間関係など、少しでも引っかかっていることがあるなら口に出すことが大切であり、上司にとってもそのほうが各方面の状態を知れるだけでなく「その人がどんなことを考えて感じるのか」も見えてくるのでありがたいだろうなと感じました。
中長期のキャリアの作戦会議
先ほどのは直近のことや短期的な話にフォーカスすることが多そうな話題でしたが、こちらは中長期の話です。
「この会社で具体的にどうなりたいのか、どんな仕事をしたいのか、どんなスキルを伸ばしていきたいのか」を共有する場も1on1の役割の1つです。
自分も含めよくあるパターンが「特にやりたいことがあるわけじゃない」だと思います。
でも社会人ってある程度わがままなくらいのほうが得するよなと、2,3年働いて感じています。
上司が仕事を割り振る際「あいつXXに興味あったな」のような考えが介在し、意思決定に関与することも往々にしてあるでしょう。
更に「好きこそものの上手なれ」という観点でも、興味がある人間がその仕事を進めたほうがうまくいく可能性が高いはずです。
なので部下視点では「AよりはBのほうがいいかもな」くらいの気持ちでも「Bが面白そうでやってみたいです」と口に出すほうがいいと考えてます。
なかなか難しいですけどね。。。
様々なハラスメントが叫ばれる近頃、上司から見て「部下が何を考えてるのかわからない」と感じることも多いのではないでしょうか。
そんなとき、「あれやりたい、これやりたい」と自分の意思をはっきり伝えてくれる部下は上司にとって扱いやすいはずです。
自分の考えを伝えると上司側も「実は私もこう考えてるんですよね」と内側で考えてることを言ってくれるというのもよくあります。
なのでお互いが普段の仕事を円滑に進めるためにも、「何に興味があって、どうなりたいか」を伝えるのは非常に大事なのではないでしょうか。
中間評価を得る場でもある
これはかなり部下の視点に寄った話です。
多くの会社で「年に1回や半期に1回目標を立てて、期末などに振り返りをする」みたいなことをやっていると思います。
1on1はこの評価の途中経過を上司に聞く場としても使えます。
月に1度くらいにこの話題を出して、「〇〇の案件の成果がXXだったんですけど、今季の自分の評価にどう影響しそうですかね?」や、「1つ上の階級(グレード)に昇進するには、今の自分には何が足りないですかね」みたいな質問がありそうですね。
実際に仕事を進めた部下自身と上司とでは見え方がかなり違うというのも珍しくありません。
特に何も考えていないと上司が自分のどこを評価し、逆に何がネガティブポイントかを認識する機会ってあまりないんですよね。
特にネガティブ要素を引き出すのはすごく大事だと感じます。
自分で何が良くない考えて言語化するのって難しくないですか?
私自身がこのやり取りを何度かして、全部上司が教えてくれるわけじゃないですがそのヒントをよりたくさんもらう機会は貴重だなと感じています。
最後に
1on1は使い方次第で、円滑な仕事の進行や今後のキャリアパスの方針に大きく関与するものだと本書を読んで感じました。
本来、本書は部下を持つ上司に向けて書かれているものですが、部下の視点で読んでも得られるものはたくさんありました。
むしろ上司からしたら「部下にもこの本読んで1on1の目的を共通認識にしたい」と考えることもありそうだなと。
興味を持った方はぜひ手にとってみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。