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九十九里浜の夕陽を求めて(前編)


先週の木曜日、千葉の九十九里浜に行ってきた。

1ヶ月前から九十九里浜沿いのホテルを予約し、同期と2人で1泊2日の千葉旅行をしてきた。

3週間前に別の同期と栃木旅行をしてきたばかりで、まさかこんな立て続けに旅行に行くとは、しかも旅行自体、約6年ぶりなのに、同じ月に急に2つも旅行に行くことになるとは、人生何があるかわからないものだ。

しかも、2週間前に栃木旅行をした同期と千葉旅行をした同期とで、僕抜きで金沢に旅行に行ってきたらしい。

僕たちは3人で旅行の回し合いをしているのだ。
気色悪いったらありゃしない。

絶対に3人で同じところに旅行に行った方が効率が良いはずなのに、そんな変なことをついついやってしまうのがさすが芸人といったところか。

まあとにかく千葉を満喫してきたので、今週はそのお話。



昼の11時、同期と合流。

たかが1泊2日なのに、同期がスーツケースを持って登場した。

いやこいつめっちゃ張り切っとるやん、千葉で1泊2日なのにスーツケースて、北海道で3泊4日とかと勘違いしとる?

そのことを同期に指摘すると「いや俺シーパップあるから」と一蹴された。

そう、その同期は睡眠時無呼吸症候群持ちで、不覚にもそのことを僕は忘れており、何か持病持ちをからかったみたいで一気に気まずくなった。

車に乗り、いざ九十九里浜を目指して走り出すと、そんな気まずさは一瞬で消え去った。

なぜ今回、旅行先を九十九里浜にしたかと言うと、僕が海岸線沿いから見る綺麗な夕陽を見たかったからである。
いつかは九十九里浜から夕陽を拝んでみたいと思っていたので、僕の念願だった夢を叶えるための旅なのだ(同期は旅行さえできればどこでもよさそうだったので僕の行きたいところをセレクトさせてもらった)。


車を走らせて約1時間、高速のサービスエリアに寄った(どこのサービスエリアかは忘れた)。

トイレをしてタバコを吸うだけの小休憩のはずが、なぜか宝くじ売り場に吸い込まれてしまい、僕は気付けばスクラッチを削っていた。

そして200円負けた。

僕はこんなところでもギャンブルをしてしまうのかと、自分で自分のことが少し怖くなった。

再度、車に乗り込み出発。

そこからまた1時間ほど車を走らせ、銚子に到着した。
ただよう磯の匂いを、同期は牛舎の匂いだと言い張っていた。


14時頃、目的地の海鮮料理屋さんに到着。
秒で海鮮丼をかっ喰らった。
海鮮丼も美味しかったのだが、何より店員のおばちゃんが地方ならではの暖かさがあり、暖かすぎて食券機の使い方まで教えてくれた。
そのおばちゃんがよほどの聖人なのか、僕らのことを猿かなんかと勘違いしていたに違いない。


腹ごしらえを完了し、犬吠埼灯台へ。

断崖絶壁の上に灯台があり、世界の灯台100選にも選ばれている観光名所だ。

灯台の目の前には白い郵便ポストがあり、後から調べてみると、そのポストは有名な幸せの白いポストと言うらしく、手紙を投函すると銚子郵便局が風景印を押してくれるという素敵なものだった。

だが、そんなことも何も知らない同期がそのポストを見て、白いポストってエロ本とか入れるやつちゃうん?と素敵じゃなさすぎることを言っていた。
後から調べると、たしかにそういう子どもに見せれない本やDVDを処分するための白いポストが駅前とかに設置されているらしいのだが、こんな素敵な場所で風情もクソったれもない言葉はやめてほしいものだ。

犬吠埼灯台は、灯台の中でも珍しく中を登れる灯台。
99段の螺旋階段を登ると、そこには太平洋を見渡せる絶景が広がっていた。

螺旋階段を登る途中、同期が「なんで99段なん、あと一段がんばって100段にしろよ」とか言っているのが後ろから聞こえた。

ここで僕はピーンときた。

(、、九十九里浜だから99段に違いない!!)

僕の名探偵の血が騒いだ。

そのことを同期にさらっと教えてあげると、同期は悔しいながらも腑に落ちてそうな表情をしていた。


灯台を降りて、お土産屋さんコーナーへ。

うまい棒ならぬ「まずい棒」というものが売られており、同期が言うには割と有名な銚子の名産品らしい。
僕は1mmもほしくなかったけど、ノリでお互い違う味を選びお土産として購入した。

まだお土産屋さんを物色していると、ご当地のちいかわのキーホルダーがあったので、同期に購入を促した。
すると同期が「なんでちいかわすきなこと知ってんの!?」と、ショルダーバッグにつけたちいかわキーホルダーをキラキラ輝かせながらわざとらしく焦りだした。

そんなに胸元で輝かせていたら誰だって気付くだろ、おれ今回の旅でもう20回はそのちいかわと目があったぞ、と言いたくなったが、ここはお土産屋さんなので、出かかっていた言葉を押し殺し優しく対応してあげた。

だが、同期は結局、ご当地ちいかわキーホルダーを購入しなかった。
なんか現金じゃなくてクレカが使えるところで買いたいから帰りにサービスエリアに寄ってほしいとか言い出したので、僕は大きな声で「面倒くせー!!!400円ぐらいさっさだせー!!!」と言いたくなったが、ここはお土産屋さんなので出かかっていた言葉を押し殺し優しく対応してあげた。

もう銚子でやり残したことはなかったので、予約していたホテルを目指し僕たちは犬吠埼を出た。

と、今週はここまで。

旅は前後編に分けるのが鉄則なので、今回も分けさせていただく。

来週、乞うご期待。

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