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メルカリで買ったガラケーを持ち歩く

先日、不意にガラケーがほしいなと思い、なんとなくメルカリを開いてみた。

別に何に使うわけでもないのだが、ほんとになんとなく直感でガラケーを持ち歩きたいと思ったのだ。

僕が一番最初に携帯を持ったのは中学三年生のとき。
当時からiPhoneやAndroidが普及していたのだが、ガラケーとスマホのちょうど狭間の時代で、どちらを買うかすごく迷った記憶がある。

だが、僕はあの携帯をパカパカする感じに憧れていたので、スマホではなくガラケーを母親にオーダーした。
それで買ってもらったガラケーを毎日パカパカするのが楽しくて、もう何かあるたびにパカパカしすぎて、そのせいでパカパカの部分が壊れてしまい肩が脱臼したかのように携帯がフニャフニャになってしまった。

パカパカの反対がわからないのでフニャフニャと表現させてもらったが、伝わりずらかったら申し訳ない。
僕にもっと文才さがあればフニャフニャよりも的確な表現ができたのか、はたまたフニャフニャがあれを表す最上の表現なのか、プロの作家さんがこれを見ていたら教えてほしいものだ。


兎にも角にも、あのパカパカ感をもう一度味わいたくてメルカリを開いた僕は、どのガラケーにしようかワクワクが止まらず、たくさん売り出されているガラケーの中からどれを選ぼうかと、ガラケーを探しながらスマホをスクロールしまくっている自分がいた。

当時、黒いパカパカタイプのガラケー(後にフニャフニャになる)を使っていたのだが、同級生のK君がスライド式のガラケーを使っており、K君が携帯をスライドする姿がかっこよすぎて、それに憧れている節があった。

パカパカタイプのガラケーがほしくてメルカリを開いたのに、気付けばスライド式のガラケーを探していた。
懐かしいパカパカタイプを買うか、憧れたK君のようなスライド式を買うか、極限に迷った挙句、僕はパカパカタイプのガラケーを購入した。
ここ10年間でこんなにも2択で悩んだことはなかっただろう。

機種はドコモで2006年に発売された型式。
900円という超特価で購入させてもらった。

ワクワクした気持ちが止まらず、ガラケーが届くまでどんなにきついスケジュールでも頑張れた。
朝まで飲んでそこからバイトしてから別の夜勤というハードスケジュールでも、ガラケーのことを思い出すと超絶頑張れた。

そして数日後、ガラケーが家に届き、手に持って最初のパカパカのとき。
もう懐かしすぎて何度もパカパカしながら「ふふふ、ふふふ、ふふふふふ」と気色悪い笑い方をしている自分がいた。

電源をつけて色々いじっていると、iモードやらデータBOXやらミュージックプレイヤーやら、懐かしすぎる単語を見つけるたび「うえ!!うや!!懐かし!!!うぇ!!!」と叫び散らかしていた。

そしてカメラを撮ってみると、んもう画質が荒いこと荒いこと。
当時はそれが当たり前で何も思っていなかったが、いま改めて見るとこんなに画質が荒かったのかと、よくこれでキャッキャ言えてたなと、荒すぎる写真にとてつもないエモさを感じた。

画素数を調べてみると、96×72 〜 3M らしく、聞いたことのない画素数すぎて目を疑った。
2400×1080 〜 4K という画質が主流になっている今、3Mて。
ていうか96×72て、なんの数字?

ネットも使えなければ電話もできない。
だが僕は、ガラケーが届いてからのこの10日間、毎日このガラケーを持ち歩いている。

持つ意味がないと言われればそれまでだが、僕は持つこと自体に意味があると思っている。

若くてキラキラしていた、何にでも自信が持てていたあの頃の気持ちを忘れないためにも、僕はこれからもガラケーを持ち続けるだろう。

あと、僕は時代に逆行するのをかっこいいと思っている節があるので、今のスマホ社会に対するアンチテーゼとしてもガラケーを持ちたいなと思っている。
そんなことを言うと、じゃあスマホ捨てろよとか言ってくる輩が出てくるのは重々承知だが、それは無理な話なので何も言わないでください。

でもほんとに、スマホを捨てたくなる日があるほど、ネットネットの世の中にうんざりする日がたくさんあるので、これから本格的にガラケーに転向してやろうかなとも考えている。

でもまあとりあえずは、今回メルカリで購入したこのガラケーをパカパカするだけで満足しているので、今はこのガラケーをフニャフニャにさせないよう、あのときの二の舞にならないよう、大事にパカパカしていこうと思っている。

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