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言い訳ではない歴とした理由がある


僕は、このnoteで毎週エッセイを投稿している。

しかも渾身の。
渾身のエッセイを。
平均3000文字にもなる渾身のエッセイを。
毎週投稿しだしてもうかれこれ1年半になる。
1週たりとてかかしたことはない。

だが先週のエッセイはなんと380文字という短さのものを投稿した。
これに驚愕した人も多いだろう。
どうしたんだ慶士?何があった?と。

ぼく自身もびっくりしているぐらいだ。

これには理由がある。
言い訳ではない、歴とした理由が。

僕は毎週日曜日に新宿で競馬をし、その姿をYouTubeにあげるということをやっていて、それ終わりに喫茶店に行ってエッセイを書いている。

なので、先週もいつものように後輩とWINS (競馬狂いが集まる吹き溜まりのよう場所) に行き馬券を買った。

馬券を買った後、YouTubeのオープニングを撮る前に一旦WINSの喫煙所に入った。

僕がちょうどタバコを切らしていたので、後輩にタバコをもらうと、今まで見たタバコ史上一番しわくちゃなタバコをよこしてきた。

もらっている分際で文句を言うのは良くないとわかっていながら、それを凌駕するぐらいのしわくちゃ具合だったので、そのことを後輩に叱咤していた。

すると、後から入ってきたおっちゃんが「兄ちゃん、これ2本しか入ってないけどやるよ」と言ってタバコを箱ごとくれた。

ラッキーストライクのメンソール5mmだった。
感謝よりも先に、おっちゃんなのにギャルみたいなタバコ吸うなあという感想が脳裏をよぎった。

そこからおっちゃんと仲良くなり、よかったらこのあと飲みにおいでよと、いつも行く競馬を見れる居酒屋があるから来るなら一杯奢るよ、と言ってくれた。

僕たちは撮影用にレンタルスペースを予約していたので「えー、あ、まあ、まあ行けたら行きます〜」と、絶対にこいつ来んやろというムーブをかまして喫煙所を出た。

そして外で軽くオープニングを撮った後、レンタルスペースに向かおうとしていると、なんかさっきのおっちゃんが気になって、後輩とちょっと居酒屋を覗いてみるかと、行くか行かないかは別としていったん前を通りすぎてみるか、ということになった。

そしておっちゃんに教えられた居酒屋をググり、早歩きで現地に向かった。

そして居酒屋の前に到着。
外から中が見える立ち飲み屋だったので、さっきのおっちゃんいるかなあと外から覗いてみた。

すると、僕たちの反対の方を向いていたおっちゃんが急に振り返り「おお!来たんだ!ここここ!」と手を上げてきた。

正直このときの感想は (みみみ見つかったあ!!嗅覚えぐいなあこのおっちゃん!!) だった。

しかも、そのおっちゃん以外にももう一人見知らぬおっちゃんがいっしょに飲んでいた。

話しを聞くと、毎週日曜日にこの居酒屋に集まって競馬を見る友達、いわゆる馬友らしい。
別にプライベートで繋がっているわけでもなく、日曜日に居酒屋に行くとおのずと集まり、いっしょに競馬を見ているとのこと。

そこから僕と後輩と誘ってくれたおっちゃん (通称みっちゃん) ともう一人のおっちゃんとで飲むことになった。

おっちゃんたちに僕の馬券を見せると「ににに、2万!?」と驚愕していた。
みっちゃんの馬券を見てみると、2000円の馬券だった。
こんなに競馬狂いみたいな見た目をしているのに、買う馬券は保守的で可愛いなと思って頭を撫でてあげたくなった。

そして、いざレース開始。

途中までめちゃくちゃ当たりそうだったのに、いつもの通りサクッとはずした。

僕も後輩もみっちゃんも大外ししたが、もう一人のおっちゃんが当てていて、終始ニッコニコしていた。

もう競馬も終わったし動画も撮ったしいつものように喫茶店に行くかと、僕には渾身のエッセイを書かなければいけないというもう一つの戦いが待っているので、みっちゃんたちに挨拶をして居酒屋を出ようとした。

すると、みっちゃんが奢るからもう一杯行こうよと言ってくれた。

えらく僕らを気に入ってくれたらしい。

まあそんなに遅くならないだろうし僕たちもみっちゃんと飲めるのは嬉しいので、ご好意に甘えて飲みに行くことになった。

居酒屋を出ると、みっちゃんから「路上で飲むかあ」と言われた。

お、おう、と思ったが、まあ路上で飲むのもオツかと思い「ぼく良い路上知ってますよ」と言って案内してあげた。

この時点で16時。
まあ1杯だけなら17時には喫茶店に行けるだろうと思っていた。

だが、話しに花が咲きすぎて、気付けば18時になっていた。
1杯どころかもうロング缶4杯も飲んでいた。

「みっちゃんそろそろ!そろそろエッセイ書かないけんけ!(飲んでいる最中に毎週エッセイを投稿しているといことも説明済み) ちょっと喫茶店行きます!」と言うと、みっちゃんが「じゃあわかった!19時まで!19時まで飲むか!」と言われたので、僕たちはその言葉を信じて19時まで飲むことにした。

すると、気付けば20時を過ぎていた。

ちょっとみっちゃ〜ん??19時までって言ったよねえ〜??みっちゃああん??

もう半ば強引にみっちゃんを駅まで送ることにした。

駅に送る途中、喫煙所に寄ったりちょっと遠回りしたりと、なんとか僕たちを帰さないようなムーブをされた。
普段ならいいが、今日の僕はなんとしてもエッセイを書き上げなければならないという使命があったので、みっちゃんを駅まで無理やり引っ張った。

そして、やっとこさ駅に到着。

いや〜今日はありがとうございました!また飲みましょ!では!と別れようとすると「いや〜もう一軒行こ!あと一軒!ていうか家まで来て!」と駅前で駄々をこねだした。

もうこれは無理だと思い「こいつが家まで送るんで」と言って後輩を犠牲にして差し出した。

後輩が嫌そうにすると、みっちゃんは後輩に抱きついて離れなかった。
木にしがみつく蝉のようだなと思った。

僕は、エッセイを書かなければいけないことはもちろんのこと、実はそのあとに同期たちとの誕生日会も控えていた。
しかも、その誕生日会に出席する同期2人が新宿でずっと待ってくれている。

ここで、僕はピーンときた。

よし、その同期2人をみっちゃんに献上しよう!!!

すぐさま同期2人に連絡し、そいつらにみっちゃんを任せて僕たちは急いで喫茶店に向かった。

その時点で20:30頃。
行きつけの喫茶店は21:30までなので、あと1時間でエッセイを書き上げなければならない。
なんなら誕生日会も大遅刻しているので、僕のリミットはどう考えても1時間しかなかった。

ということで、先週のような短いエッセイが完成したということだ。

これは言い訳ではない、歴とした理由だ。

短いは短いが、割と濃くおもしろいエッセイが書けたので、僕としては満足している。

あと、今週はそんなみっちゃんのおかげで良質なエッセイが書けたので、まあよしとしよう。

ちなみに、あのあと同期2人とみっちゃんは、なぜかみっちゃんにキレられながら1時間ほど路上で飲んだらしい。

あとこれもちなみにだが、みっちゃんは僕たちと話しているとき9割5分下ネタだった。

そんな姿が僕のYouTubeに上がっているので気になった方は是非見てください。

チャンネル名は「慶士 documentaly」です、どうぞ。

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