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アナザースカイ旅行(中編)

前回までのあらすじ。

第二の故郷である京都に訪れた僕は強烈な腹痛に襲われインバウンドの脅威を知りサプライズで知り合いの美容室に行ってローランドになって傘を持たずに京都の街に消えていったのであった。

さあお待ちかねの後編、スタートです。



雨の中、寺町通を目指し歩いた。

これからの予定は、ある服屋さんに行くことにしていた。
前の会社の同期が会社を辞め、その服屋さんで働いているという情報を聞きつけたので、これまたサプライズで登場してやろうとしていた。

その同期とは京都に住んでいる間、いつも連絡を取り合っては遊び、たくさんの濃い思い出を作ってきた。
だが、その同期とももうかれこれ5年も連絡をとっていない。
なので、何か小っ恥ずかしいというかなんというか、会ってどういう感じで接したらいいのだろうととにかく緊張していた。

てかあいつはきょう出勤しているのだろうか、てかまだ在籍しているのか、てかお店の場所はここで合っているのか。
寺町通を歩きながら色々な不安が押し寄せてきた。
まあ本人に連絡して確認をとればぜんぶ解決する話しなのだが、サプライズ好きの僕はサプライズ道に従って連絡はもちろんしなかった。

お店の前に着き、一旦通り過ぎてみた。
通り過ぎるついでに横目で店内を確認すると、同期がレジ前にいるのがわかった。

え〜ほんとにいるんだ〜緊張が一気に跳ね上がったよ〜どうしよ〜〜。

一旦、引き返してもう一回お店を通り過ぎるという荒技をさせてもらった。

まあ入るしかないか〜ここまできたんやもんな〜緊張するな〜大人になってからこんなに緊張するの嫌やな〜〜。

意を決して入店。

とりあえずその同期の元に向かい、手をあげてみた。

同期から細目で睨まれた。
細目で睨まれたあと、僕ということがわかったのか、恥ずかしそうな照れ笑いを浮かべていた。

まさか初手で睨まれるとは思っていなかったので少し戸惑ったが、すぐに顔が和らいだので安堵した。

そこから店内で軽く話した後、同期が良い喫煙所があるから行こうと言ってきたので外に出た。

その喫煙所はタバコ屋さんの中に座るところと灰皿があって、東京ではお目にかかれないほど乙で渋い喫煙所だった。
ずっとここにいたいまであった。

これまでの5年間のことや今どんな生活をしているのか、たくさんの二人の思い出などを話した。

ずっと話していたかったが、僕はこの後も予定があったので、30分ほど話して喫煙所を出た。

お店に戻り、僕が同期に服を買ってあげるよと言ったが、モゴモゴとした声で「いらへん」と言われた。
じゃあ僕が自分用に何か買って帰ろうとしたが、同期からモゴついた声で「そんなんせんでいいで」と言われた。

少し腹が立ったので「じゃあこれ買って帰る!」と言ってニット帽を手に取り、試しに被ってみるとびっくりするぐらい似合わなかったので、そっと元の位置に戻した。

結局、何も買わずに店を出ることにした。

店を出る前、今生の別れのような熱い抱擁を交わした。
別れるのが寂しかったので、このまま抱きかかえて持って帰ってやろうかとも思ったが、割と重かったのでそっと店内に置いて別れた。

この時点で19時半。
ここからは僕が住んでいた街「並河」に行くことになっていて、そこで当時の会社の先輩が待ってくれているのだが、もう1時間も遅刻してしまっていた。

その先輩とは当時、同じ職場で、京都に住んでいたときは1番仲が良く、たくさんの苦楽をともにしてきた。
東京に来てからも遊びに来てくれたりしていたのだが、ここ最近はなんだかんだで4年ぐらい会っていなかった。

久々の再会なのに遅刻をするという大失態、しかも先輩は待ちすぎてパチンコでもう1万溶けたという連絡をくれていた。

僕は急がねばと思い、ダッシュで電車に乗ってダッシュで並河に向かった。

息が荒いまま並河駅に到着。
久々の僕の聖地に心が躍った。

そして先輩が待っているパチンコ屋へ。

そのパチンコ屋は当時、僕が住んでいた家とは目と鼻の先で、毎日のように通っていたマイホだった。
ここでは酸いも甘いも経験させてもらった。
イベントの日にタコ負けしたり、四万負けているときに台の上に置いていた財布をとられたり、95%を外したり、色々なことがあった。

酸いも甘いもと言ったが、よくよく考えると酸いが多すぎて酸いも酸いもだったかもしれない。

そんなマイホに入店すると、懐かしすぎて目が潤むのがわかった。
パチンコ屋に入店して涙が出てくるのは僕ぐらいだろう。

半泣きのまま先輩と合流。
もう15000円やられているとのこと。

店内を一周すると、僕がいた頃の活気は全くなく、いつ潰れてもおかしくなさそうな匂いがぷんぷんしていた。

とりあえずパチンコまどマギに着席。
東京では考えられないくらい釘が悪くてサクッと5000円いかれた。

このあと顔を出したい居酒屋やスナックがたくさんあったので、もう打つのはこのへんでやめとこうということになり席を立った。

すると、今日はたまたまファン感をやっていて、クジ引きができると店員さんから話しかけられた。
豪華景品がたくさんあったが、どうせ当たらないだろうと思いながらクジを引いた。

もちろん2人ともハズレた。

死体蹴りをされた気分だった。

と、今週はここまで。
続きは来週です。

いや先週は次で書ききれるみたいな感じで終わっただろうが、終わる終わる詐欺すんなって思った方、違うんです。

本当にごめんなさい。

書き出したらキリがなくて、こんなに長くなるとは思っていなかったんです。

2泊3日の旅行なのに今週も初日の途中で終わってしまい本当に不甲斐ないです。

もうこうなったらこの京都旅行だけで10週ぐらい書いてやろうかなとも思ってます、嘘ですすいません来週で終わらせます、絶対に。

来週、乞うご期待。

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慶士
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