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継続は力なりやし努力は実る

今年の4月、初めて競馬をしてみた。

仲の良い同期たちがやっていたので、なんとなくノリでやってみた。

僕の地元は北九州市の小倉で、小倉競馬場が近かったこともあり、小さい頃はお爺ちゃんに連れられてたまに競馬場に行っていた。
お爺ちゃんは競馬が大好きで、僕に数字を選ばせて馬券を買ったりもしていた。

僕が覚えている限りだが、お爺ちゃんは200万の馬券を2回当てたことがあり、競馬場の帰りに胸ポケットに200万を入れて帰っていた。

その姿に憧れていたのか、僕もとうとう競馬に手を出した。

最初はYouTubeの一企画にすぎず、何の気なしに始めたものだった。
だが、それが地獄の始まりだった。

どんどんのめり込んでいき、毎週日曜日は2〜3万賭けていた。
毎週必死に予想してやるも一切当たらず、気付けば競馬を始めてから12連敗していた。
この時点で -30万 を超え、もう引くに引けないところまできていた。

この頃からYouTubeの登録者数×100円を毎週日曜日に賭けるということをやりだした。
そして、競馬が当たることを願って、当たるまで髪の毛を切らないという謎の縛りをつけたり、牛肉を食べないという意味のわからない縛りをつけたり、毎週競馬新聞を買って眺めてみたりと、なんとか当たるように試行錯誤していた。

だが、これが全く当たらず、もう僕は一生当たらないのではないかと思い始めていた。

夏競馬が終わり、20連敗を超え、負債は -40 万にまで膨れ上がっていた。

もうここまできたら下手な当て方はできない。
少額で当てるぐらいじゃ視聴者は満足しない、というか僕のプライドが許さない、最低30万は当てないとこんだけ負けを積み重ねた意味がない。

負けを重ねれば重ねるほど、僕は大きな勝ちを求めるようになり、そのせいで予想が穴狙いになっていき、どんどん勝ちから遠ざかっていった。

何度もめげそうになったし何度もあきらめかけた。
だが、毎週いろんな人が応援してくれるようになり、その方たちの期待を裏切らないように毎週がんばってきた。

だが、もうどうせ今週も当たらないだろうと、また負け芸をするだけだろうと、また確定で2万円がなくなるのだろうと、そう思ってやっていた。

そして、連敗は25にまでのぼり、あんなにウブで可愛かった競馬初心者も、7ヶ月も経てば馬並みの知識を得ていた。
正直こっちを買った方が当たるけど俺はこっちを買う、という良くない買い方をずっとしていた。
大きな勝ちがほしくて、そうじゃないなら外した方がいい、その方が動画的におもしろいからという理由をつけて。

そして、26連敗目がかかったマイルチャンピオンシップ。
初めてG1を現地観戦しようと京都にまで赴いた。

僕は、芸人になる前の20歳から24歳の4年間、地元を離れて京都で一人暮らしをしていた経験があり、そこで色んなことを学びたくさんの思い出ができたので、京都には特別な思いがあった。

24歳から京都を離れて東京に行き、芸人になってからは一度も京都に帰ったことがなかった。

なので、約5年ぶりの帰郷ということになり、その土地で知り合った方たちとも5年ぶりの再会を果たしていった。
感動の連続だった。
そして、京都旅行の最終日に京都競馬場に行き、G1を現地観戦してきた。

なんとしてもここで当てたかった。
この僕の聖地、第二の故郷、アナザースカイで。
でももちろん堅くはいかない。
慶士の買い方で、いつかは当たると信じ続けてきた1頭固定の3連単で当てたかった。

そしていざG1が始まる前、いつも毎週いっしょに競馬をし、YouTubeのカメラマンもしてくれている後輩に連絡をした。

毎週いっしょに競馬を外しまくっている後輩だが、僕はその後輩の馬選びの目を買っていて、そいつがくると言っている馬を一つ入れようと思い連絡をした。
僕の買い目は決めていたけど、念のため連絡してみたという感じだった。

すると、僕が入れていない10番人気の馬を後輩が推してきて、僕は絶対にこないだろうと思っていたが、その後輩を信じ、僕の買い目を無理やり変えて3頭目にその後輩の推し馬を入れた。

そして、緊張がほとばしる中、レースがスタート。

短い時間だったが、とにかくいっぱい叫んだ。
興奮と熱狂が渦巻き、狂喜乱舞の中、僕が1着固定していた4番人気のソウルラッシュが1着でゴールした。

、、、あれ?、、当たった??

待って待って、俺の目が正しければ2着は7番人気の17番エルトンバローズ、うん入れてる。
3着はなんだ?何がきた?早くリプレイを見せてくれ。

リプレイを見ると、1番人気のブレイディヴェーグと後輩推し馬の10番人気ウィンマーベルが3着を競っていた。

ここが運命の分かれ道。
僕はご存知の通り尖った買い方をしているのでもちろん1番人気は完切りしている。
なので、ブレイディヴェーグなら外れ、ウィンマーベルなら当たりということになる。

写真判定だったので、結果が発表されるまで長い時間待たされた。
たぶん5分ぐらいだったのだろうけど、僕には30分弱の時が流れた感覚だった。

そして、掲示板に結果が発表された。

3着は、後輩の推し馬ウィンマーベルだった。

叫んだ。
喉が飛ぶくらい叫んだ。

本当に当たるときがあるんだ。
競馬が当たるなんて嘘だと思っていた。
だが、あきらめなければいつかは実る、継続は力なんだと実感した。

すぐ後輩に連絡して喜びを分かち合った。
自分一人だけでは勝ち得なかった勝利。
この喜びをいつもいっしょに戦っている後輩と電話越しに称え合った。

しっかりその後輩は外していたけど、いやここで当てれないつ当てれるんと思ったけど、そんなことは関係なかった。

払戻金の結果が発表されるまで、僕は確実に100万越えの帯獲得だと思っていたが、実際は40万で少しテンションは下がったけど、でもそれでもよかった。

続けてきたことが実る、その瞬間がたまらなかった。
本当にあきらめなくてよかった、ようやくこれで僕は競馬の神になれた、来週から僕は呪縛から解き放たれたように当てまくるだろう、もう誰にも僕は止められない、止めれるもんなら止めてみろ世界よ。

そう思ってあの日から2週間が過ぎたが、いま現在、G1を2週ともしっかりと外している。

なんだ、何がどうなっているんだこれは、神も残酷なことをしやがる。

また振り出しに戻っただけだった。

僕の戦いはまだ終わらない。
競馬とは人生、胸ポケットに現ナマの200万を手にするまでは終われない。
これからも一進一退の攻防を続けていくことだろう。


よかったらYouTubeにそのときの映像と、25連敗からぶち当てるまでの軌跡をのせているので見てください。
てか絶対見てね。



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慶士
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