人生初のヘッドスパ体験記
先日のこと。
夕方からバイトをしてそこからまた違う夜勤のバイトに行って、夜勤明けでそのまま同期とスロットを打ちに行ってから飲み会という超スーパーハードスケジュールをこなした。
不眠不休で実に36時間という稼働をこなし、終盤の12時間はもう記憶が朧げで、ふらふらの満身創痍だったことしか覚えていない。
きつすぎたので飲み会も1次会で切り上げ家に帰った僕は、よーし今日はいっぱい寝るぞ〜、不眠症の俺でも流石に今日はぶっ通しで寝れるやろ〜と、夜中の1時過ぎに久々に睡眠薬なしで眠りについた。
そして朝7:30、ギンギンに目が覚めた。
身体はまだきついのに、まだまだたくさん寝たいのに、脳と目が言うことを聞いてくれなかった。
だってもうギンギンなんやもん、ギンギンのバチバチなんやもん。
二度寝を何度トライするも、僕の願いが叶うことはなかった。
これが不眠症の性といったところか。
よーしこうなったらなんかするぞ〜、せっかく早起きしたことやし普段できないことをしてやろう!!!
二度寝できないことを前向きに捉え、僕は今から何をしようかと考えた。
この日は13時から予定があったので、この8:00〜13:00の間で何ができるか、幸いにも前日にスロットで爆勝ちしたということもありお金には余裕がある、さてどうしよう。
そして、僕はピーンときた。
そうだ!!ヘッドスパだぁ!!!
ヘッドスパで間違いないはずだぁ!!!
僕はヘッドスパに一度も行ったことはないが、頭の凝りをほぐすと、身体全体の疲れがとれるという話しを聞いたので、いつかは行ってみたいと思っていた。
だが、ヘッドスパは普通に1万円ぐらいするので、貧乏暇なしの僕には遠い存在だった。
でも今日は違う。
早起きして目がギンギンで前日にスロットで爆勝ちしている。
時間とお金に余裕があるのだ。
今日行かなくていつ行くというのだ、今日が絶好のヘッドスパ日和なのだ。
ということで、僕は一心不乱にネットでヘッドスパ屋さんを調べまくった。
渋谷らへんで駅から近くて雰囲気が良くて今から行けるとこ今から行けるとこ、、、
、、なかなか見つからない。
ただでさえ当日予約が厳しいのに加え、この日は台風16号直撃の日だったので、臨時休業しているところが多かった。
くそ、俺はいつになったらヘッドスパできるんだ、俺にヘッドスパをさせろ、ヘッドをスパさせてくれよ。
僕は、血眼でヘッドスパ屋さんを探しまくった。
すると、渋谷駅から徒歩7分、雰囲気良さげで値段も割とリーズナブルなヘッドスパ屋さんを発見。
しかも、今日の朝から予約が空いているときた。
(こ、こ、こ、こけこけこけ、ここだあぁ!!!)
僕は超絶指テクニックの高速タップで予約を完了させた。
気付けば、ヘッドスパ屋さんを探し出してからもう1時間が経過していた。
この1時間で僕の頭はさらに凝ったことだろう。
身支度を済ませ家を出ると、ドデカ台風直撃のはずなのに、外は一切雨が降っておらず、なんなら日が照っているまであった。
普段、雨が降ろうが槍が降ろうが傘を持たないと決めている僕は、これは好都合だと、ルンルンのウキウキで外を歩いた。
そして、渋谷のヘッドスパ屋さんに到着。
駅から7分も歩いた僕は、汗だくでヘッドスパ屋さんの扉を開けた。
今からヘッドをスパしてもらうというのに、そのヘッドから汗が吹き出て止まらなかった。
恥ずかしいったらありゃしない。
女性の店員さんに個室に通され、軽いヒアリングを受けた。
ヒアリング中もずっと汗が吹き出ていたので、会話に何も集中できなかった。
ヒアリングの最後に、何か要望はありますかと聞かれたので、冷房をガンガンにしてくださいと言いたかったが、恥ずかしいのでグッとこらえた。
そして、いざ施術開始。
最初はドライで頭を軽くほぐされたのだが、店員さんに凝ってますよ〜と言われ、理由はわからないが何故か嬉しくなった。
ドライほぐしが終わった後、椅子をリクライニングし、頭を洗われながら揉みほぐしが始まった。
言葉では言い表せないほどの至福の時間だった。
至福の時間すぎて、汗で気持ち悪かった身体は何も気にならなくなっていた。
だが、ヘッドスパ中に寝てやろうという算段だったのが、リクライニングをして頭をのけぞると、唾が喉に溜まりそれが気になって全く眠れなかった。
もう途中からは唾の方が気になりすぎて、ヘッドスパよ早く終われと思っていた。
あんなにやりたかったヘッドスパなのに、早く終われと思っている自分がいて、ちょっとこわくなった。
約1時間の施術を耐え抜き、やっと身体を起こせるときがやってきた。
よくがんばった俺、耐えた耐えた。
ヘッドスパ(唾喉溜まり)という苦行を乗り越えた自分を褒めてあげた。
個室を出て窓を見ると、とんでもない量の雨が降っていた。
台風の野郎が本気を出してきやがった。
お金を払った後、店員さんと「雨すごいですね〜」「そうですね〜」と話していると、店員さんが僕が傘を持ってきていないことに気付き、目を見開いてびっくりしていた。
お客様用の傘を差し出してくる店員さんに対し「いやほんとに傘いらないんで大丈夫です、濡れ慣れているんで」と言うも、僕の断りを受け入れてもらえず、半ば強引に傘を持たされた。
外に出て傘をさし、お店が見えなくなる距離まで行って傘を閉じた。
傘を持っていて雨が降っているのに傘をささないという新感覚を味わえた。
すれ違う人たちからはとても奇々怪々な目で見られた。
ヘッドスパをしてドライヤーで乾かした後、また雨でずぶ濡れになるという一連の行動に、まじで意味のないことをしているなと思った。
だが、噂通り頭も身体も軽くなったので、スロットで爆勝ちして次の日たまたま早起きしてしまったときにまた行きたいなと思っている。