見出し画像

アロエの天敵はT-fal


約半年前、友人にアロエをもらった。


なぜくれたのかはわからない。

急にこれあげるよと言われたので「なんで?どしたん?」と聞くと「いや、買ったから」と言われた。

いや買ったからあげるって、理由になってなくないか、なんて会話が乱暴なやつなんだ、と思いつつも、そこからは何も詮索せず、ありがとうと言ってアロエを受け取った。

まあそいつは観葉植物がだいすきなやつなので、たまたま植物屋さんに行ったときに何の気なしにアロエを買って何の気なしに僕にくれただけなのだろう。

そいつがどんだけ観葉植物がすきかと言うと、六畳の部屋で何個もの植物を飼っているので、部屋はもう植物園状態というか、人間を養分にして住みついている化物植物の根城みたいになっている。

かく言う僕の方は、植物を全く育てたことがなく 1mmも知識がないので、アロエを育てる自信がなかった。

こんな僕で大丈夫なのか、全く知識がないのに命を預かっていいのか、このアロエを立派な成人へ、いや成植へと育てあげることができるのか。
そう不安がっていると、アロエをくれた友人が「アロエ簡単やけ大丈夫よ」と後押ししてくれた。

自分でもアロエの育て方について調べてみると、さほど難しそうな点はなく、というかめちゃくちゃ簡単で、逆にどうやったら枯れるんと聞きなくなるほど、ズブの素人でも大丈夫そうだった。

はは〜ん、流石ぼくの友人。
僕が植物を扱い慣れてないことを懸念して誰でも育てられるアロエにしてくれたんだな?やるじゃん?
こんなん適当にやっても育つレベルやん、逆にこれを枯らすやつがいればそれはもう才能だ、むしろ誇った方がいい。

僕は余裕をこきながらも、しっかりと愛情を注いで育てた。
定期的な水やりもかかさず、日向に当たるよう動かしてあげたり、なんならたまに喋りかけてみたりと、我が子のように接した。

そしてアロエを飼育しだしてから約1ヶ月後、なんかちょっとずつ枯れてきた。

うそ〜ん、誰でも育てれるって聞いたよ〜めちゃくちゃ簡単って聞いたよ〜なんでだ〜〜。

どうやら僕には、植物を枯らす才能があったらしい。
いざ自分の身になると、こんなもん誇れたもんじゃない。

アロエをくれた友人になんで枯れたか聞くと「たぶんT-fal」と言われた。

そう、僕はアロエの隣にT-falを置いていたのだ。
アロエはあまり湿気に強くない生き物、T-falのお湯が沸くたびに、辛い思いをさせていたらしい。

痛恨のミス。
俺のアロエちゃんになんてことしやがるT-falよ。

僕はすぐさまアロちゃんをキッチンの窓際から部屋の窓際に避難させた。
アロちゃんを動かさずにT-falの方をぶっ壊すという策も考えたが、カップラーメンが主食の僕にそれはあまりに酷なことなのでやめた。

だが、部屋の窓際にいるアロちゃんはとても窮屈そうに見えた。
なので、いっそのことと思いアロちゃんをベランダに移動させてみた。

いやベランダがあるなら初めからそうしろよと思ったそこのあなた、ベランダに置いたらアロちゃんを頻繁に見れないでしょうが!我が子を遠くに置く親がどこにいますか!馬鹿ちんが!

でも背に腹は変えられないので、ベランダで管理することに。
ベランダだと日にもよく当たるし、適度に雨が降ってちょうどいいと推測した。

そしてベランダにアロちゃんを移行してから1ヶ月後、アロちゃんに声をかけようと久々にベランダを覗いてみると、枯れが加速していた。

いや〜ん、むずいって〜誰が簡単って言ったんこれ〜どうしよ〜〜。

とりあえずベランダからキッチンの窓際に避難させた。
もちろんT-falとは距離をあけて。

植物は一度枯れだすと回復するのに時間がかかるらしく、アロちゃんも同様になかなか元気になってくれない。

どうやったら元気になるのか日々、模索している。

そして今日、気分転換にと鉢を大きめのやつに替えてあげた。

根元の方が枯れているのがわかるだろうか。

少し枯れてはいるが、アロちゃんはぐんぐん成長してくれている。

早く枯れを回復してあげて、もっと大きく成長するよう今後も養っていきたいと思う。

僕が初めて授かった命。
精一杯の愛情を注いで、いい子に育てあげたいと思う。

いつまでも元気でいてね、アロちゃん。

いいなと思ったら応援しよう!

慶士
このお金で人々を幸せにします。