「鋼のメンタル」(百田尚樹)を読んで

 あの人は恵まれているから,あの人はもともと怖いもの知らずだ,あの人の性格がうらやましい,などという自分の心の弱さを克服したいという思いが少なからず存在していた。しかし,読書後にははっきり言える。最初から強い人間なんていないんだと。

 最初からタフな人はいない。著者もそうだったが,その人自身はメンタルが強い人間だとは思っていなかった。けれど,恐怖から逃げずに自分のやりたいことをやり,言いたいことを言う。時には叩かれ,へこむときもあるがすぐに立ち直り,また行動していく。この流れこそがメンタル力なんだろう。

 メンタルの強い人になりたいと思っていたが,それは日々の積み重ねで成り立っていることに気づいた。恐れずに自分のやりたいようにやって,傷ついたらよく寝て心を整理し,立ち直ればいいんだ。近年によく見る,周りからの誹謗中傷を避け続ける社会がこれからも続くのかもしれない。それでも,私は行動を繰り返していきたい。

 ヘコまない人間が強い人なわけではない,そのことを理解させてくれた。