高い完成度と脂っこい展開。そもそも色気って何？

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感想

2024年夏アニメの話題作です。見始めた時はうなだれるような暑さでしたがこれを書いている時は長袖を着るかどうかで思索を巡らせているのは季節の巡りの早さをしみじみと感じます。完成披露試写会に参加した今作でしたが序盤は良かったのですが徐々にハマらなくなってなんとか完走した形です。作画などの作品の完成度は高いだけに痛恨です。

想い人の恋人の座を勝ち取れなかった女の子——「負けヒロイン」。
食いしん坊な幼なじみ系ヒロイン・八奈見杏菜。
元気いっぱいのスポーツ系ヒロイン・焼塩檸檬。
人見知りの小動物系ヒロイン・小鞠知花。
ちょっと残念な負けヒロイン——マケインたちに絡まれる、
新感覚・はちゃめちゃ敗走系青春ストーリーがここに幕を開ける！
負けて輝け、マケインたち！

TVアニメ「負けヒロインが多すぎる！」公式サイト より引用

タイトルが出オチなのもあり序盤からそれ以降が跳ねなかったです。モラトリアム真っ盛りの高校生たちの青さが自分にはキツかった。映画きみの色からの感性のオジさん化をまたも感じる形になってしまいました。登場人物全員が恋愛体質すぎたのがしんどかったです。学校という閉ざされた空間に生きているための狭い価値観になるが故に起きる青春なことですが脂っこいものを食べた後の胃もたれに似たしんどさを持ちながらの視聴になりました。当然それが3人分くらったらギリ視聴のラインです。作品は悪くないのですが。若さくるくる未熟さから自己成長的なストーリーあんま好きじゃなくなってますね。展開の引き付けが欲しいところでした。とはいえタイトル的に大きな裏切りもできないないし作品自体もそこらへんのメリハリは描きたいところではないので仕方ないです。何かしらの成果的なものを求めてしまうのは社会人の悪い癖でしかありません。
こんなにも恨みつらみを書き連ねたとしても作品の完成度の高さと登場人物自体の魅力で最後まで視聴することが出来ました。放送前からの豊橋市の激推しっぷりもすさまじく、作品の全てが豊橋に帰着していました。遠出するなら名古屋とかに行くのもありえそうですがその隙間すら与えない圧倒的豊橋でした。圧倒的作画力で至るところの豊橋が登場してキャラも生き生きとしていました。
八奈見杏菜、焼塩檸檬、小鞠知花のメインキャラも良かったです。結構エグめの失恋をかますのは過程は先述したとおりカロリーが高いですがそれぞれの個性と苦悩が見えて人間らしくてとても愛ぃな感情でした。特に八奈見杏菜の優秀さは語らずにはいれません。序盤は物語のメイン(負け)ヒロインで活躍してその後はお笑い要員になってめちゃくちゃ優秀。そもそもビジュアルが良い中でちゃんとお笑いできるのは強すぎる。そのくせに重要なアドバイスも言えるのはセンスが強すぎる。叱られて楽になろうとするなと伝えられるのは慧眼が過ぎる。
登場人物の負けヒロインたる残念属性もちゃんとあって良かったです。全員が全員こいつはフラれてるんやてならず、これは仕方ねえなあとなる負けヒロインっぷりには舌を巻きます。八奈見は食い気、焼塩はスポティッシュ、小鞠はセンス。それぞれの要素が強すぎて色気がまったくついてこなかったです。やはり色気がないと恋愛って始まらないよなと再確認させていただきました。じゃあ、色気って何？と八奈見の声で脳内に語りかけられましたがそれは俺もわからんと言えないです。やから恋愛って難しいし文化になるんかなとっぽい考察。
出オチな構図なので永遠に続けられる今作品。最終回の観覧車はもしかして温水と八奈見のあれれな関係が示唆され今後はあの1対3で恋愛かましだすかもしれません。あ、すぐに成果を見たくなる社会人の悪く癖が出ました。八奈見杏菜に叱られてしまいます

そういうことだぞ、角田君。