いざ、創造という狂気の世界へ
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話題作を公開3日目に見に行ってきました。即書いた方が良かったのですが相変わらずのバタバタのせいで遅れました。ラグは出来上がりましたがそんなことは何ら問題がないドデカインパクトな映画でした。上映時間が57分だったのはにあわかに信じがたいです。体感は120分の長編アニメ映画でした。
ネタバレあります。これ以降は視聴後の一読をいただけましたら幸いです。
感想
ありきたりな感想で始まるが、何かに本気で取り組んだことがある人間全員にこの作品は刺さるし、ある意味では救いになるのかもしれない。見終わった直後、この映画を穿った角度で悪態をつくような人生ではなく、真正面から向き合うことが出来て良かったと感じた。言葉で言い表せにくい”正”の感情に覆われた。自分は漫画などといったエンタメ作品は受信して楽しむ側であり、完全に没入することは難しかったかもしれなかったが、この自分ですらこのようなセンチメンタルにさせる映画であれば0から1のモノづくりに取り組んでいる人間に喰らうエネルギー量は想像するのは容易い。
抽象的な感想から始まったが、中身は当然のように骨太で濃密。藤野のクリエイターとしての慢心、挫折、再起、進化、決別、死別。すべての感情が練り込まれており全て叙情的で心に刻まれる。作品がスクリーンの空間全体を支配して見ている自分も巻き込まれていく感覚に陥る。
個人的に好きなシーンは死別後の仮想世界となんのために漫画を描いているのかという質問の答えの2つである。死別後に卒業式後に京本を外に連れ出さなかった仮定の世界はお互いに別々の道を辿るが襲撃はすんでのところで防がれるが結局はお互いにマンガの世界から決別出来ておらず、そして再度出会う世界になっていたのは創造という罪が深さが垣間見える。そして、決別を経て、押しも押される人気売れっ子漫画家になった藤野が結局は1人目のファンの京本が創造の最大限の活力になっていたのは心に沁みる。地位,名声も大切だが、誰かを満足させた感謝に勝るものはないのかもしれない。
何かを作っていない。藤本タツキ先生の大ファンでもない。そんなだたの受信者である1人の自分が書くレビューは薄っぺらいかもしれない。そして藤野と京本のような経験はもう出来ないかもしれない。創造の世界に自分は入ることは出来ないのであろう。そんな自分でも、何処かの創造者に原動力になれるような人でありたいと感じる作品であった。凡人のわがままかもしれないと感じつつ、今日も夜が来て、明日になる。
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