もう五つ子って言うのは失礼ですかね。
S
まさかの続編です。過去にもっと続いてくれと願いましたがほんまに続くとは思ってなかった。意気揚々と五等分の花嫁∽のレビューを書いていた自分に伝えたいです。おそらく変な声は出るでしょう。
肝心な内容ですが最後は少しヒヤッと(後述します)しましたが安定安心の結び方でした。てか、春場ねぎ先生はおそらく完結後なんか想定してなかった中で脚本を手掛けてくれて感謝しかないです。完全体の作品を加筆する無茶な作業で当然ですが大きい上振れも期待できない半ば貧乏くじ案件です。自分ならやんわり断ります。おそらく完結後の想定はあまり考えてなかったので無理してるとこは多少はありましたがそれを言うのは野暮って話。
当然ですがここからはネタバレ全開です。
少なくとも原作は読破はオススメしておきます。
感想
自分の中では、映画公開時と比べると五等分コンテンツは明らかに下火。楽しみではあったが蛇足になる不安を持ちつつの鑑賞だった全くの杞憂であった。五つ子が画面に出てきた瞬間に高ぶる感情。好きは遺伝子に刻まれるものであると感心にも近い気持ちになった。多幸感に似た"正”の感情に覆われての映画体験であった。やっぱり五等分の花嫁はおもしろい。
とはいえ、先述した通りに大変な仕事であったのは容易に想像できます。今までは登場人物は全員学生でしたが、今回は大人で就職している社会人。当然、学生時代の特性を持ち合わせながら大人にアップデートする作業は絶対にムズイ。風太郎が「お悩み相談だ」と啖呵を切ったシーンはいっぱしの社会人同士が会話してると思うと結構見てて恥ずかしい。共感性羞恥。そんなぐらいに大人になってるが故の難しさが垣間見えてました。モラトリアムを脱してしまっていたのが痛恨です。ハワイには連れていけなかったです。
そんな大きな難しさが伴う中でも展開はめちゃくちゃおもしろい。安定安心の五等分。序盤は原作のエピソードも良かった。5回同じ店に連れていかれる風太郎さすがにおもろい。そうなるのはわかるけどやっぱりわけがわからんラインを絶妙に攻めてた。1期の林間学校で寝込んでる風太郎に全員で手をつなぐあの名シーンを思い出す展開。モラトリアムがなくなったら酒飲みすぎて泥酔して寝込むになるのは笑った。これじゃまったく感情揺らされない。よくよく考えたら新婚旅行で旦那が酒に飲まれて気絶してるのはだいぶ呆れられ案件な気がするが誰も指摘しないのは五つ子の優しさで俺の卑しさ。
たたみ方はヒヤっとしましたけど安心。Part2を言い出した時に今までよく使われた五つ子の入れ替えで解決する流れになったのが少し怖かった。というのは自分は原作は「風太郎の結婚相手は誰なのか」の表テーマの裏に「五つ子それぞれの自立」があると思っている。この終わり方はそれに砂をかける最悪の終わり方になるからだ。もし仮にその終わり方だったらこのNoteは恨みつらみ書き連ねられたものになっていただろう。とはいえ、最後に自分の心配を裏切ってくれて安心。全員が幸せで五つ子が五人の女性への成長を感じる終わり方だった。今までは困難は五つ子全員で力合わせて解決だったが自力でそれぞれ解決する力を持った成長を感じさせてこの作品は五つ子の卒業もテーマにおいていたのかもしれない。春場ねぎ先生はまじで半端ないし五つ子の愛が深すぎる。敬意。
完結後の付け足しという難しい仕事をここまで綺麗に収めて視聴者側を満足させるのはこの作品制作に関わった全員に敬意を表したい。さすがにここからはもう続かないと思いますが、五つ子をからめず五つ子それぞれのお仕事ストーリーとかを作ってもええのではないでしょうか。。。?