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アクダマから発見!こんなところに『君たちはどう生きるか』

B

だいぶ前から見始めてはいましたが、だらだらしてしまいやっと見終わりました。良い意味でひっちゃかめっちゃかで満足です。細部まで拘った懐石料理よりも銀皿に雑に盛られた油ギットギトな生卵乗せナポリタン大盛りの方が人間は求めてしまう真理を改めて感じずにはいられません。

感想

遙か昔、カントウとカンサイの間で戦争が起き、世界は分裂した。
カンサイはカントウの属国となり、独自の発展を遂げていった。
しかし、政治と警察力は衰退し、犯罪が横行。
その犯罪者を アクダマ と呼ぶ ―。

本作品の舞台となるのは、高度に発達しながらも歪んだ社会。
その中で、アクダマたちはいかにして自分らしくあろうとするのか。
一堂に会したアクダマたちの美学がぶつかり合う。

「アクダマドライブ 公式サイト」より引用

序盤は世界観の奇天烈さが目を引く。テクノとレトロの同居がクセになる。何気ない出来事から訳のわからない方向へ引きずり込まれる一般人もおもしろい。アンジャッシュのすれ違いコントに近いお笑いがある。主人公の一般人のサイド達はキャラも腕っぷしも強い。強いやつらは集めとくだけで見てる側の満足感は高い。そんな徒党も強いだけで団結力はゼロ。攻殻機動隊の荒巻の「我々の間には、チームプレーなどという都合のよい言い訳は存在せん。有るとすればスタンドプレーから生じる、チームワークだけだ。」を思い出す。

中盤になっては様相が変わって徒党が解体されてそれぞれの思惑が進んでいくながれはアクダマっぽい。その中でアクダマが死んでいく流れは儚く美しい。アクダマ全員ともにただの無機質狂人サイコパスじゃなくてそれぞれの美学があってそれを狂信的に突き進むが故に悪人となってしまった印象があるから死に際が美しい。こう書いたがただ赤が好きに殺人に興じる殺人鬼はどうなるのか無視しておきたい。

終盤のドンパチはお腹いっぱいで大満足。運び屋と処刑課の戦いはなんかわからんけどRRRの味覚。一般人の最期がハッカーの冥土の土産と詐欺師と呼ばわれてた2つの伏線を回収したのはアツい。グランドイリュージョンのマジックかよ。ただ巻き込まれた一般人があそこまで子供たちに入れ込むのだけは最後まで謎ではあったがそんなこと考えても野暮なだけ。

裏設定で一般人はサークルクラッシャー、上司と不倫しているの2つがあったらしい。たしかに、新幹線内での記憶の邂逅で会社の人間関係を親密になるのを望んでいない、課長からの着信を「奥さんと子供を大切にしろよ」って言いながら出ない2つの行動に合点が行く。それに明らかに非力である徒党の中で殺人鬼に見初められて守られるのもサークルクラッシャーに通ずるアザトカワイイの成分が配合されていたのだろうか。最後は処刑課を完全に欺いて人生を閉じるのは本望であったのだろう。これこそ人生は長く生きるのが重要ではなくどう生きるかが本質であることを教えてくれる。

まさに「君たちはどう生きるか」
え?宮崎駿…こっからインスピレーションもらった?


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