島流し3日目 その2【自分のらしさと会社のらしさ】
★この内容は 2022/3/16 の記録です。
明屋海岸で朝から熱い気持ちを叫んだ後は、島の玄関口、菱浦港の近くへ。
いまから15時のフェリー出港までは、非日常から日常に接続していくための最後のワークだ。
※前回の記事はこちら
ホテル Entô(エントウ)
向かった先はホテル Entô(エントウ)。
2021年7月に旧マリンポートホテル海士がリニューアルされて誕生したホテルだ。
別館を新しく建て直し、客室を一新。ロビーフロア等は隠岐ユネスコ世界ジオパークの拠点としての役割も兼ねているという。
ラグジュアリーホテルのような豪華な造りではなく、「ないものはない」を感じられるシンプルで削ぎ落とされた空間になっている。
このホテルについて面白いと感じたのは、宿泊者でなくてもホテル敷地内を自由に行き来できるという点。
ジオパークに関する展示や説明、島の図書館の分室のような場所もあり、観光で訪れた方や島民のための空間にもなっている。
あいにくこの日は、修繕工事のための休館日で、普段の人の往来や息遣いを感じることは出来なかったが、建物内に入らせていただけた。
ちなみに今年(2022年)の1月に、松本潤さんが島とホテルを訪れた番組が放映されて以降、"松潤が泊まった部屋"は予約がたくさん入っているらしい。
次に島に来るときは、ぜひ泊まってみたい。
自分のらしさと会社(仕事)のらしさ
Entôの説明が長くなってしまったが、いよいよ会議室に入って最後のワークへ。
与えられたテーマは、
『自分のらしさと、会社(仕事)のらしさ』。
非日常の島の中で向き合った、自分の主観・自分のらしさを、いかに(仕事を中心とした)日常に接続していくか。
"自分のらしさ"と"会社のらしさ"の接点を見つけて、小さくてもいいから、始められる行動は何か?
それぞれが考えて、その後全体でシェアすることになった。
思いおもいの場所で振り返る
昼食のお弁当を含め、全体シェアの時間まではフリータイム。
場所は島のどこでもいい。
会議室にとどまり、風と土とのスタッフさんと会話する人、
海辺で考える人、
ソファに座って考える人、
様々だった。
(後で聞くと、外でヨガ?瞑想?をしていた人もいたとかいないとか。)
私はロビーフロアで、白紙の紙を一枚おいて、2日間を振り返る。
(寝ているわけではなく、熟考中。)
自分らしさとは
島に来てから私たちが体験し対話しながらやってきたのは、自分の主観を大切にし、自分のらしさと向き合い、気づくことだった。
自分の主観 なんて、あたりまえのことのように感じるかもしれないが、実はあまり大切にできていなことが多いんじゃないだろうか。
日常や仕事の中では、役割が与えられ、その役割の人を全うするために動いている。言い換えれば、組織や枠組みのなかに、自分を位置づけている。
どうしても、他人からどう見られるか? 評価されるか? も気になってくる。
そんな毎日を過ごしているうちに、自分がどう感じたのか、組織や枠組みを抜きにしたときに、どんな存在でありたいのかがすっかり分からなくなってしまうのかもしれない。
では、私のらしさとは?
そんなことを思いながら、"私のらしさ" を考えてみる。
そんなときにふと思い出したのは、今朝の明屋海岸でぐっちゃんに言われた言葉だ。
『土井ちゃんは、写真を生かして新しい人たちの輪の中に入って行っている。自分にはそういうことができない。きっと、どんな場所に行っても同じように、人に囲まれていると思う。羨ましい。』
『初日のアートワークでは人物があまり出てこなかったけど、本当は人が好きなんじゃない?』
あれ、そうだっけ?
冷たいやつだと思っていた
一つ前の記事で、愛を叫んだ事例を紹介したが、今回の島流しでは、この事例以外でも参加者のみなさんが、言葉をつまらせたり、涙を浮かべながら語るようなシーンが何度もあった。
どの話も、他人への思いが強く、優しさが溢れるがゆえの涙だった。
そういうシーン出会うたびに、特に、社内の人達に対しての熱い思いだったりすると、
「私はそんな風に思えないな。優しい心を持った方だなぁ。」
「それに比べると私は冷たい奴だなぁ。」
感情があらわになる人を見て、そう考えていた。
どっちか言うと、組織の長とかではなく、あまり他人を構わず、自由に行動していたい。社内のインフォーマル活動もほどほどでいい。飲みニケーションなんてごくたまにでいい。そんな自己認識だ。
もっと仲良くすればいい
『本当は人が好きなんじゃない?』
改めて考え直してみる。
私が自然とっている行動の裏には、どんな思いがあるのだろう?
どうしてこの3日間、たくさん撮っていたんだっけ?
どうして毎日部内にメール発信してるんだっけ?
そうか。
そうだ。
私は、周りの人の、想いをもった眼差しや、本心から出る笑顔が好きだし、そういうものが生まれる場が好きなのだ。
私は、思いを持った人同士が、その思いを理解し合えば、うまくいくはずなのに、その人に与えられた役割(組織など)のせいで、対立したり、すれ違ったりするのがどうにもこうにも嫌なのだ。
それぞれが真剣にやっているのに、どうしてこうも対立するのか。
もっと普段から、無機質で事務的じゃない、温度感のあるやりとりができないのだろうか。
そのためには、お互いが考えてることをもっと知ればいい。バックグラウンドを知ればいい。そんなきっかけを少しでも作れたらいい。
そう思っていたんだった。
文字にすると、あまりにもちっぽけで当たり前だけど、
『もっとみんな、仲良くすればいいじゃない』
それが私の行動の源泉であり、自分のらしさ なのかもしれない。
この日に浮かんだ新たな気付きだった。
会社のらしさ はなんだろう?
『自分のらしさ』の次は『会社のらしさ』について思いを巡らせる。
まず思い浮かぶのは、"育ててもらった"という気持ち。
特別なにか専門スキルが優れていたわけではない私に、少しずつ未知の領域の業務を与え、見守り、指導していただいた。
本心で、いい上司・先輩ばかりだ。
成長させようと想いがある人たちがたくさんいる。そんな考え方が普遍的に存在している会社だよな。と改めて思う。
その風土はまさに文化だし、会社のらしさだと思う。
そしてもう一つ、『大トラブルが起こったときの一体感』だ。
あの時ばかりは、部署ごとの利害や、細かい担当範囲は二の次になり、お客様に迷惑をかけないために、一人ひとりが自分にできることを見つけて、全力で解決を目指している。
そういうときって、実は関わる人それぞれが、いちばん自分らしさを発揮しているのかもしれない。
"自分のらしさ"と"会社のらしさ"の接点
火事場ではそうやって動けるし、人を育てる風土もある。
そんな会社なのにどうして普段、役割の壁に阻まれて、すれ違い、対立してしまうのはなぜだろう?。日々を過ごしながら、そんなことをよく思っていた。
だとすると、
私の"自分のらしさ"と"会社のらしさ"の接点は、そういう壁を超えるきっかけを作ったり、それぞれの想いを繋げていくことにあるのかもしれない。
窓越しの海を見ながら、そんな考えを巡らせた。
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