三つ鱗紋 〜なごみ2022.9月号より〜
「三つ鱗」は三角形を三つ山なりに組み合わせた家紋であり、日本では馴染みの深い紋章である。一つ一つを構成する三角文様は世界各地で古代より存在し、古代エジプトやインドでは炎や火を表し、西欧では三位一体の象徴とされている。
この三角文を「鱗」と解釈しているのは、中国から東南アジア、朝鮮半島一帯であり、古代より死者や祖先の霊は蛇の姿で現れると信じられてきたことから、大蛇を龍という神獣にし、その鱗として表された三角文を呪術的な魔除けとしてきたのである。
さて三つ鱗を家紋として用いた