乳がん経験者の私がかけられて嬉しかった言葉
がんという病気は、とても怖い響き。
本人はもちろん、周りの人の心まで大きく揺さぶってしまう。
だけど、大事な人には伝えなくちゃいけない。
私ががんだってこと。
私も病気を知ったばかりで揺らいでいたけど、
がんを打ち明けられた人もきっと、なんて言えばいいんだろってすごく気を遣っただろうなと思う。
そんながん患者や周りの人のヒントになればいいなと思うので、私が感じたことを率直に書いてみる。
人によって感じ方は違うと思うので、参考までに……
■嬉しかった言葉
『私の周りでも乳がんになった人が何人かいるけど、今はみんな元気にしてるよ』
『今は治る病気だから大丈夫だよ』
先行きが不安だからこそ、同じ病気になった人が元気になっていると言ってもらえるのはとても力になったよ。
『頑張ってね!』
頑張っている人に頑張ってと言っていいのかな、と躊躇する方もいるようだけど、私にとって『頑張って!』はとても力強い応援だった。
『頑張るよ!』って明るく返しやすい言葉なのもとても良かった!
『恩返しは元気になることだよ』
私には親がいないし、めちゃくちゃ心配してくれた義両親も県外からは来られない。
旦那さんも病気の様子が分かるまでは病院に付き合ってくれたけど、さすがにいつまでも会社の皆さんに迷惑はかけられない。
1人で病院に行くことが増えると、友だちがふんわり声をかけてくれて、病院まで何度も送ってくれた。
こんな大きな恩をどうやって返そう…って思うたび、
「何にもいらない!忘れて!恩返しは元気になることだよ!」
彼女はいつもそう言って笑ってくれた。
「恩返し恩返しって鶴なの?」とか言って。
私はその言葉に救われて、あまあまに甘えて、無事に全ての治療を終えることができたの。
『お前は自由だ!やりたいことだけやってていいんだ!』
片付けなくちゃ。
洗い物しなくちゃ。
しっかりしなくちゃ。
そういういろんな呪縛から解放してくれた旦那さんの言葉。
寝たい時は寝て、YouTube見ながらお菓子食べて。
私がゲームしたり遊んでいると家族は喜んでくれるようになった。
部屋は散らかったけどそれでいいんだと認めて、治療中の自分を思いっきり甘やかしてあげることができた。
『大丈夫でしょー!がんサバイバーという称号を得てまた強くなるね』
気づけばいつもそばにいてくれる友だちがかけてくれた言葉。
彼女は大体のことに動じないから、私が泣いた時にはいつものトーンでそう言ってくれた。
治療が終わった後も、いつも通りの会話をした。
そのいつも通りが、すごく嬉しかった。
■どんな言葉にも、どんな表情にも、気持ちがこもっていればちゃんと伝わる
伝える側に気持ちがこもっていて、受け取り側が落ち着いて聞くことができれば、どんな言葉もちゃんと伝わる。
病気を打ち明けるということには勇気が必要。
それでもあなたに伝えたいと思ったその人の気持ちを受け止めて、こちらからも気持ちを込めて、素直に伝えたらいいのだと思う。
立ち向かうしかない治療に向かう背中を押して、
「あなたが治療を乗り越えるのを応援している」って。
「あなたが元気になると私は信じている」って。
それぞれの言葉で伝えたらいい。
何も言えなくたっていい。
言葉に詰まったっていい。
なんて言っていいか分からなくてごめんね、でもいい。
心が寄り添ってくれていれば、ちゃんと伝わるから。
乳がん体験記の始まりはこちらです
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