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「もしがんだったら、右胸全部取ってやろうと思ってるんですよね」 悪性かもしれないからもっと詳しい検査をしないと、とお医者さんに言われた時、私はそう言った。 お医者さんは「ずいぶん乱暴なことを言うね」と笑ってくれた。 初めから、私は全摘することをあまり惜しんでいなくて。 大きな病院に移った後も、一貫して揺らぐことはなかった。 何度も聞かれ、その都度「全部取りたい」と言った。 部分切除が可能だとしても、全摘してしまいたいと思っていた。 なんとなく、そうなるだろうって予感がして