「自己プロデュース力」島田紳助【読書感想】努力の仕方を教えてくれます
島田紳助氏が、吉本のお笑いを目指す若い芸人に向けて行った講義を活字にしたものです。
成功した人の本を読むといつも感じることがあります。分析力、行動力、俯瞰力、社会の潮目を読む力などが半端ないなと。
自分だけの教科書を作る
18歳で漫才の世界に入った時には、このように決めていたそうです。漫才で売れるための自分だけの教科書を作る。
18歳ですよ。
私が18歳の頃何してたかな。
思い出せないということは、何も考えてなかったってことだ。ここからして、天才と凡人は違います。
自分だけの教科書を作るにあたり、彼は何をしたか。
過去の漫才で、映像や音声が残っているものを全部見られるだけみる、聞けるだけきく。
どんな時代にどんな人が売れていたか、どんなふうに笑いが移り変わっていったか、あるいはずっと共通しているものがあるのか、徹底的に調べたそうです。
そして、オモロい!と思った漫才をを片っ端からカセットテープに録音して、繰り返し聞き、紙に書き起こして分析する。
スマホも手軽な録音機材も文字おこしツールもない時代。
これをやることの膨大な時間と手間と労力を想像すると、もうその時点で私など萎えてしまいますが、やはり成功する人はやり遂げるんですね。すさまじい分析力、圧倒的な行動力、メタ認知力です。
本当の客を見極める
勝てない現場には行かない。
その代わり、勝てる現場では必ず勝つ。
彼がこの世界に入ったとき、漫才は「年寄りから子供まで笑わしてなんぼ」と言われていた時代でした。
そんな中、自分達の漫才は20歳から35歳の男性をターゲットにすると決めます。
今ならよくある戦術かもしれないけど、あの時代においてはすごく尖ったターゲティングです。
X+Yという公式
Xは自分の能力、強み。
自分の強みの見つけ方が世間ではよく話題に上がっていますよね。
紳助氏いわく、自分と向き合って必死に探すしかない、と。ここは天才も泥臭い作業をしているのです。
Yは、世の中の潮流をみる。
これは簡単なようでいて、かなり難しい作業じゃないかと思います。
ただ情報を収集するだけでなく、それから読み解かなくてはならない。訓練でできるようになる気もするが、どちらかといえば、嗅覚に近いものがあるように感じます。
この公式を自分で作ること。
というか、自分でしか作れない。
他人が作ってあげることはできないのです。逆に、これが作れた人は成功に一歩近づくことができます。
マーケティングとかターゲティングとかいう言葉がメジャーではなかった頃に、誰に教わるともなく自分であみだしているところがすごいです。
これらの努力を一度は死ぬ気でやり、勝てる試合では全集中して勝ちに行く。
そこにいたるまでの死に物狂いの正しい努力ができるか。
紳助氏は、これがまぐれではないことを答え合わせするために、ビジネスや店を経営して成功させています。成功の本質なんですね。
漫才に限らず、世の中は全て才能だと彼は言い切ります。
でも。
才能があっても努力しなかったり、あるいは努力をしても方法が間違っていたりすると結果は出ません。
その努力の仕方を紳助氏はおしえてくれている。
あの林修先生も、
正しい場所で、正しい方向で、十分な量をなされた努力は報われると言っています。
あとはやるかやらないか。
ちなみに私が個人的にパッと思いついた人で、自己プロデュース力が高いなと思う人は、矢沢永吉、マツコ・デラックス、マドンナ、リチャード・ブランソンなどかな。
私自身今までヌルヌルとここまで生きてきました。
もっと若い時に読んでいれば、人生変わったかもなと思いましたが、残された人生で一度はそれをやってみるのもいいかもと思える本でした。
やるかやらないか。