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「エンタメビジネス全史」【読書感想】
ここ最近読んだ本の中でとても読み応えがあり、おもしろかった本です。
日本のエンタメ産業を歴史、文化、ビジネスなど多方面から解説されていて、日本のエンターテイメント産業の教科書的な本といわれています。
興行
映画
音楽
出版
マンガ
テレビ
アニメ
ゲーム
スポーツ
上記のジャンル別にまとめられています。
各々の業界で働く人には知っている内容もあるかもしれませんが、いち一般人の私が読むと、そうだったのか!というシステムがあったりしてとても面白いです。
エンタメ界を俯瞰すると、ジャンルはちがっていてもそれぞれが繋がっていたり派生したりして、栄華、衰退、変遷を経てきた歴史を感じます。
流行るものがあれば廃れるものもあります。でもその都度、叡智をもって次の産業の種を見つけて育て、時には博打だと言われながらも次へとつなげる。
そこには必ずキーパーソンとなる人物がいたし、めまぐるしいテクノロジーの進化もあり、そして運という要素もはずせないのだなと思いました。
クリエイティブなモノ作りはすごいのに、マーケティングが残念だったニッポン。
そんな状況にもかかわらず、世界にたくさんのユーザーがいて絶大な人気を獲得できたのは、日本のクリエイターが作り出すコンテンツの魅力そのものの力です。
特にアニメ・マンガ・ゲームは、日本のガラパゴスな環境がよくも悪しくも日本独特の特殊性に大きく影響しているんだなと思いました。
エンタメのビジネスの成功には Intellectual Property (知的財産)がどれだけ重要かということもよくわかります。
団塊世代がテレビ、週刊誌、週刊漫画誌を育て、団塊ジュニアがゲームとアニメを育てました。
その子世代であるZ世代がTikTokとYoutubeを育てるという、脈々と受け継がれているユーザーや推しの文化も日本ならではです。
よくある「日本ってすごい!」という自国賛美をするつもりはありませんが、この本を読んだ後は、やはり日本独自のクリエイションが生まれ育つ土壌はすごいなと思いますし、それが自然発生的だということも他国にはない特徴だと思います。
我が家の次女はオタクです。
彼女は大学で産業分析のゼミを受けており、この本を紹介したところとても興味を示していました。
この本の内容が濃すぎてうまく感想が書けないのですが、ビジネスマンじゃなくても、日本のエンタメ産業に興味がある人にはめちゃくちゃ面白い本だと思います。
とにかく読んでみてください!