バージョン2を受け入れる
何気ない言葉にホッとして心が落ち着くことがある。
知らず知らずのうちに力んでいた肩から力が抜けて、ゆるゆると身体が弛緩していく。「あれ?わたしの身体ってこんなに軽かったっけ」と気がつく。
でこぼこな私のへこんでいる部分を「そのままでいい」と言ってもらったときに、ホッとして気が抜けるらしい。
10月のはじめに右手親指の腱を痛めてしまい、接骨院にずいぶんと通った。
(ちなみにまだ通っている)
みてくれた先生が鍼灸師の資格を持っており、ひょんなことから体質相談をすることになった。
右手を揉んでくれながら
「体調はどうですか〜?」
なんて聞いてくれる。
「去年から風邪もひきやすくなって、身体もとても冷えるんです。喘息にもなって、いろんな不調がたくさんでているんです。」
ここぞとばかりに最近の体調への不満をぶつけてみるわたし。
「あ〜それは脾が弱っているんですね。」
東洋医学の脾は、消化吸収を促し気血水をつくりだす臓腑、らしい。
わたしは東洋医学は統計的な面で一定の信頼をおいています。ですが、東洋医学的なことは大事ではなくてですね。
「もともと脾が弱いんですね〜。以前の生活の苦労などでさらに弱っているんですね。」
「えっ、それって強くなるんですか?健康になりたいんです!」
「う〜ん。脾が弱っているぶんをサポートするのは大事ですけど、生まれつきどこかが弱かったり強かったりするので、他の機能が補ってくれているものですよ。身体を温めてくださいね〜。」
「そっかー。わかりました〜。」
こうして会話を終えて、緩んだ身体で接骨院を後にした。
この会話のどこにホッとする要素が?と思うかもしれません。
でもね、「体調がよかった以前のわたしに戻ろう」という気持ちが先行しすぎて焦っている自身がいることにハッと気がついたのです。
それに、以前のわたしが、どこも悪いところがないパーフェクトな身体をしている、と勘違いをしていることにも気がつきました。そして、ありもしないパーフェクトな身体に戻ろうとしていることも。
考えてみたら、わたしはもともとお腹が弱いのです。
世の中には、年に1回お腹を壊すか壊さないか、という超人的な人がいるらしいですが、わたしは1日のうちにお腹が壊すか壊さないか、そんなレベルなのです。
ファッションでお腹を出している子を見ると驚きます。
そんなことをして、お腹を壊さないの!?ってね。
脾はわかんないけど、生まれつきお腹は激弱だった。
今は、お腹にとどまらず、首も全身も冷えやすくなっている。
なにかが悪くなると焦って元の状態に戻ろう、としがちだけど、身体はそんなに早く戻らないんじゃないかなと思う。
ネットを漁って、あれでもないこれでもない、と健康法を試すけれど、そんなに早く戻るのだろうか。
それに、もともと弱かったのが、輪を掛けて弱っている。
ある程度は良くなるだろうけれど、完全によくなることはなさそうだ。喘息なんて、ずっと薬を飲み続けないといけないし、治るものではないらしい。残念だ。
なんか、これはもう、ジタバタせずに「ちゃわんバージョン2」くらいの気持ちで生活するのがいい気がする。
もちろん生活習慣の改善などはしていくけれど、じっくりゆっくり改善していけばいいのだと思う。亀の歩みで。
それに、気がついたらバージョン3になっているかもしれないしね。
お読みいただき、ありがとうございます。
次の記事でお会いしましょう。
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