「専門用語」ってカッコイイし便利だけど使わないようにしたい
専門用語を使って表現するとカッコよくなりますよね。
「部材Aの剛性を5%上げるためにボリュームを10%あげました。」
カッコイイ。私スマートなこと言ってるという気分になります。専門家だみたいな。
聞いている人は、知らない単語が出てきても自分の知識不足と思って、質問できなくなってしまいます。
結局、説明者の自己満足に。
新入社員向けに研修を行うことになりました。専門用語は便利だけど、なるべく使わないようにしようと思ったので書いてみます。
専門用語は便利
専門用語はカッコイイだけでなく便利です。
複数の意味を一語で表してくれるのが専門用語です。たとえば、先ほどの例で出てきた剛性は、
剛性: ある物質を1mm伸ばすときに必要な力の度合い。
になります。辞書に書いてある言葉の定義ではなく、自分の言葉で定義できていればいいと思います。上記の剛性の定義は、辞書に載っているものとは違います。
きちんと定義できており、聞く人も意味を理解していれば使っていいと思います。
聞く人に知識がない場合はなるべく使わない方がいいです。そして自分も意味を説明できない場合も使わない方がいいですね。
私も、曖昧さに逃げたくなり、使ってしまうことも多いので反省です。
ソーカル事件
この記事を書いていたら、以前に教授から教えてもらったソーカル事件のことを思い出しました。研究の世界で論争を巻き起こした事件です。
ソーカルはポストモダン思想家の文体をまねて科学用語と数式をちりばめた無内容な論文を作成し、これをポストモダン思想専門の学術誌に送ったところ、そのまま受理・掲載された。
(引用: Wikipedia)
適当な専門用語を無意味に並べて、論文投稿したら、なんと掲載されてしまったというまさかの事件です。通常、論文は専門家に審査されるのですが、当時は審査がなかったのも要因のようです。
論文が掲載された後、ソーカルは論文に内容に意味がないことを明らかにしています。
そう、専門用語って危ない。分からないからこその説得力があります。いたずら心を出して、ちょっと真似をしてみます。
「マイグレーションによって特異点を作用させたら、20%のエンゲージメントに成功した。」
何が何やら。とにかく何かに成功したらしい。数値も出てるし専門家っぽい。
専門用語に数値まで出すとさらに効果が上がります。凄いこと言ってる感が増します。
積極的に使いたくなりますね(笑)
おわりに
ソーカル事件まで話がいってしまいましたが、いかがだったでしょうか?
説明をするときは、専門用語を使うのはなるべく避けたいですね。
使う場合は、聞く相手がその言葉を知っていること。そして、自分なりに言葉の定義付けをしてから使うようにしたいですね。
ただし、スマートな印象をつけたいときは、積極的に使ってみるのも手です。(*私は責任を持てません。)