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老舗が海外に活路を見出して攻める
日経の記事が興味深かったので取り上げてみました。
茨城県土浦市の柴沼醤油醸造。
香港で開かれた食品展示会に出展すると高い評価を受け、世界各地の展示会に招かれるように。
2017年に海外事業部門を分社化し、北米、欧州、中東、アジアなどに販路が広がっているそうです。
強み:
・顧客ニーズをくみ取るリサーチ力、それを商品開発する技術力
・小ロットでもきめ細かく対応できる生産体制
・明治大正時代の木おけ、蔵つき酵母など歴史ある固有の資産
海外向け製品の例:
・たまり醤油の技術を応用したグルテンフリー商品
・ビーガン向けに、かつお節を使わずシイタケや昆布の出汁で味を調整したポン酢
・アルコール分を特殊技法で取り除いた商品
老舗の伝統・技術と中堅企業ならではのフットワークの良さを生かした事業戦略を展開していると思います。
価格競争ではなく、独自の付加価値で勝負している点も強いです。
知的資産経営の観点からみると、老舗として他が真似できない構造資産(技術力、生産体制、歴史ある木おけ、蔵つき酵母)を生かし、海外へ進出して新たな関係資産を構築しているといえます。
人的資産については記事から読み取れませんが、職人の技術を後進につなげることは、これまでもこれからも重要課題として認識していることでしょう。
記事の最後にもありますが、海外での高評価が逆輸入され、日本でも流行ると新たなチャンスが生まれるでしょう。
工場の見学、創作料理の提供、お土産など地域を生かした展開ができると面白そうです。
「日本のものが海外から逆輸入されてヒットする」現象は、これまでにもあったことです。
伝統的な日本の食材もそうなる可能性があると期待できます。
可能性はいろいろある、と強く思いました。