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組織を「組織化(Organization)」という動詞で捉えよう

「組織」は英語でいうとなんでしょう?
Organizationですね。

人が集まっているという意味でいうと、GroupやTeamなども想起されるでしょう。でも、Organizationなのですね。

よくよく語の成り立ちを考えるとOrganizeというわけですから、「組織」ではなく「組織化」ということになります。つまり、組織は、名詞ではなく、動詞的な概念なわけです。

経営のお手伝いをしていると、「ハード(Hard)は意識されているんだけど、ハート(Heart)がないんだよな」と思うことがあります。たとえば、組織は、組織図を描けばできるわけでも、業務分掌を書けばその通りに機能するわけでもありません。「人」という有機体の集まりが「組織」という有機体を生んでいるわけです。単なる情報の組み合わせではなく、情報に対して生まれる気持ちや解釈が積み重なっていくわけです。

ここでさらに話をややこしくします。
「とはいえ、ハードがないとハートに気づくこともできないんだよな」とも思います。ハートの方は、目に見えないからです。だから、組織図や業務分掌のような言葉にして、情報をOrganizeするわけですね。ここでのOrganizeはアレンジするといようなニュアンスです。

…で、情報が見える化された結果、「そうそう、こうあるべきよ、ウチの組織は」と思う人もいれば「いや、なんか違うんだよなあ。そもそもこの仕事、俺の部がやることでもないし、ちょっとグレーなんだよな」と思う人もいるわけです。

そして、さらに話をややこしくします(笑)
とはいえ「いや、なんか違うんだよなあ」も思っていても、言わなかったり、言えなかったりすることがあります。「なんかおかしなことを言っていると思われるかも」とか「誰かの気分を害するかも」と思うわけですね。
だから「ハートに気づいたことを話せる機会」が必要なわけです。それが、ここのところ注目されている心理的安全性の話です。

で、「ハートに気づいたことを話せる機会」というのが会社の中では少ないのだというのがコンサルをしていての実感です。こうした機会がないと硬直化します。「名詞」になっちゃうんですね。企業の不祥事でも、「おかしいな」と思うまま硬直しているから、「おかしいこと」が、何かの拍子に顕在化するわけです。

それと、社員の場合は、Organizeされたところへ参加しているという感覚が強いようにも思います。つまり、「名詞」で捉えています。本当は、組織の成員ですから、「組織化」という「動詞」の当事者なわけです。となると、ただ参加するだけではなく、自分自身の考えも良い意味で変えながら参加し、周囲に良い影響をあたえていくことが求められます。それがリーダーシップです。そして、参加している感があるから、帰属意識、エンゲージメントが高まるわけです。

ただ、この辺のところを理解しないまま経営者が「当事者意識を持て」といっても、まず逆効果です。なぜなら、経営者自身も組織化の成員で、組織を発展させるために、自ら変わっていく対象だからです。

「自分の考えを言ってしまうと、社員が考えなくなる」そんな声をよく聞きます。ある程度は、正しいでしょう。ただ、半分くらいは、「自分の考えを変える気はないまま言っているんだよな、この人」と社員が思っていることの表れのように思います。

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