デザイナーからみた海外リモートワーク事情 in バンコク
この記事は、2018年9月7日にクラウドワークスデザイナーブログ で執筆した記事です。
こんにちは。デザイナーの小林です。
クラウドワークスのプロダクトDivでは、フルリモート・フルフレックス制度を試験導入しており、各チームでルールを決めながら、それぞれがリモートをうまく活用しながら働いています。
わたしのチームでは、カフェや銭湯でのリモートワークにチャレンジしたり、フルリモート・フルフレックス制度を活用して、あたらしい働き方を模索しています。そして、ついに先日、「リモートワーク in バンコク」にチャレンジしてきました!
海外リモートでもお仕事の進捗や効率には影響なし
海外リモートワークがはじめての取り組みだったので、「日本にいるときと変わらずにお仕事できるか」は重要なポイントです。海外に行くからと事前にMTG時間やタスクの調整をおこなうことはなく、日本にいるメンバーとはビデオ会議やslackでのコミュニケーションをおこない、東京でリモートワークをするのとほとんど変わらずにお仕事することができました。
日本にいるときと変わらずにお仕事できたのは、バンコクと日本の時差が2時間だけということも大きな要因だったように思います。さらに時差が開いたときには、日本にいるメンバーにも協力をお願いし、会議やスケジュールの調整が必要になりそうです。
事前に作業環境を整えることが重要
大型サブディスプレイの代わりにiPad Proを使おう
デザイン作業をするときに大型のサブディスプレイを利用する方は多いのではないでしょうか。リモートワークでは、作業場所までの運搬や作業スペースの確保が難しく、オフィスで利用するような大型ディスプレイを使うことはできません。
そのため、今回は、わたしが日本でカフェなどでリモートワークをするときに利用しているiPad Proをサブディスプレイとして利用できるアプリ「Duet Display」を準備していきました。
海外リモート中のタスクの関係で出番は少なかったですが、Macbook Proのみで作業するよりは作業しやすいのでオススメです。
ビデオ会議に耐えられるネットワーク環境か確認しよう
滞在中、ビデオ会議を何度かしたのですが、音声や画質が乱れてしまうことがありました。コワーキングスペースなどのネットワーク環境は比較的安定していますが、滞在先のアパートや街中のカフェのwifiは、仕事をするには十分でないこともありました。
ネットワークが安定している作業環境やポケットwifiを準備するなど、自分のお仕事の内容にあわせて、事前に確認しておくことが重要だと思いました。
今回は1週間の滞在ながら、すっかりバンコクの魅力にハマってしまい、日本に帰りたくなくなるほど、楽しく快適なワークライフを過ごすことができました。バンコクがリモートワークに適しているポイントをいくつかご紹介します。
・時差が2時間なので、日本とのMTGなどもおこないやすい
・街中やカフェなど、どこでもパスワード付きのwifiがつながる
・主要駅にはコワーキングスペースが多く、日本より安く利用できる
・タイ語がわからなくても、都心部の人は英語が話せる
・BTS周辺には日本人街も多く、安心できる地域が多い
・移住している日本人が多いので、現地の情報を得やすい
・現代的な部分とローカルな部分が混在していて、観光地としてもおもしろい
さらに詳細なバンコクの働く環境・コワーキングスペース紹介、気になるセキュリティ問題などは、クラウドワークス エンジニアブログ でも紹介しています。ぜひこちらもご覧ください!
リモートワークだからこそ会える、ノマドフリーランスのおふたりと交流
※ 国内外を旅しながらノマドワークをしている、フリーランスデザイナーの麻矢さん(中)とフリーランスライターのYukoさん(右)。
クラウドワークスのUXデザイングループでは、日頃から積極的にユーザーインタビューをおこない、ユーザーの生の声を聞くことをとても大切にしています。
今回の海外リモートワークでは、わたしが参加している「GIRLS NOMADO LIFE」 というノマド女子のコミュニティでご一緒しているフリーランスのおふたりが、ちょうどバンコクに滞在していたので、お話させてもらいました。
「海外を旅しながら働く」と聞くと、キラキラとした印象を持ちますが、実際におふたりのお話を聞いていると、観光よりもがっつりとお仕事をされている様子に驚きました。わたしなら観光ばかりしてしまいそうです...
おふたりと話す中で、海外を旅しながら働くフリーランスだからこそ感じる課題や、旅をしながら働くコツやおもしろさを知ることができました。
1. 観光とお仕事のバランスの調節が重要!
バンコクのような都心部以外では、ネット環境を整えるのが大変。雨で電気が止まってしまい、作業途中のデータが消えてしまったことあるそうです。観光メインの地域か、仕事メインの地域か、訪れる地域選びと受けられるお仕事の納期・量の調整を自分でおこなうことが重要です。
2. 確定申告などの手続きは海外だと不便?
フリーランスや複業をすると、自分で確定申告をおこなう必要があり、経費の扱いや申請方法など悩むこともあります。今ではインターネット上で申請ができるようにもなりましたが、海外からだと手続きが不便なことも多く、手続きのために帰国したり、日本にいる家族や友人の協力してもらったりと、工夫されていました。
3. お仕事がなくなっても安定して入る収入の確保が重要。
今回はライターとデザイナーのおふたりとお話したのですが、安定的にお仕事がもらえるときと、そうでないときがあるそう。さらに、旅先でお仕事をしづらい環境になってしまうなどのリスクも考え、デザインやライティング以外にも、安定的に得られる収入源の確保は意識されているそうです。今では、InstagramやYouTube、アフィリエイトなど、いろんな方法があるようで、わたしも自分にできそうなものを見つけてみたいと思います。
普段からユーザーインタビューを積極的に取り入れていても、直接お話を聞くのが難しい方もいます。リモートワークをうまく活用すると、普段会えないユーザーさんにもお会いすることができ、リモートワークの魅力の一つだと感じました。
日本だと使えない海外サービスを利用できる
日本でも、海外のサービスをダウンロードすることはできますが、リアルな体験と紐づいたサービスを、実際に体験できる機会は多くありません。そのため、もし海外に行く機会があれば、積極的に現地のサービスを見つけて、使えるといいなと思っています。
さらに、日本ではまだまだ認知度の低いアプリやサービスが海外では有名なんてことも多くあり、現地の人と話したり、広告を見たりすると、その国のトレンドがわかったりします。現地の広告を見たりして、気になりダウンロードしたアプリをいくつかご紹介します。
1. Grab
「Grab Taxi」は指定の場所にタクシーを呼べるサービスで、今回行ったタイをはじめ、ベトナム、マレーシア、シンガポールなどで利用されています。Grabのいいところは、事前に目的地までの費用がわかること。現地で出会ったノマドフリーランスの方は、移動はすべてバイクタクシーというくらい活用してました。
一方で、Grabは大人数の移動だと複数台タクシーを呼ばなければならなかったり、利用しようとした雨の日は混みすぎて呼べなかったり...。実際に使えない場面に遭遇するのも、サービスの体験の一部かなと思うので、勉強になります。次回行ったときは、バイクタクシー絶対に乗ろうと思います!
2. shopee
BTS(タイの主要交通機関)の改札一面を真っ赤に埋め尽くしていた、「shopee」の広告。わたしは知らなかったのですが、東南アジアではとても有名なサービスで、日本でいうところのメルカリ。
3. LAZAHA
こちらも東南アジアで有名なショッピングアプリ。日本でいうところの楽天やAmazonのような存在で、現地の人の生活の一部になっていますね。
4. foodpanda
バンコクのレストランのお料理をデリバリーしてくれるアプリです。BTS(モノレール)の動画広告で流れていて、パンダのイラストに惹かれて出会いました。
アプリをダウンロードしてみたところ、なんと日本語対応。タイ語と英語に対応しているアプリは多くありますが、日本語まで対応していて、それだけで嬉しくなりました。配達中の情報なども教えてくれるようで、使い勝手はUber EATSに似ているのかなと思います。
5. LINE MAN
LINEがタイでリリースした、24時間いつでも日常生活をサポートしてくれるオンデマンド型アシスタントアプリだそうです。荷物の配送やフードデリバリーなど、ちょっとした困りごととかを解消してくれるようです。
確かに、タイのアパートでは日本のマンションにあるような大きな荷物を入れておけるところがなかったので、住んだらぜひ使ってみたいサービスですね。
海外リモートだからこそ、日本と異なる表現に出会える
アートや美術に造詣が深いわけではないのですが、旅行先のめずらしい建築物や美術館に訪れるのがすきで、バンコクでも「BACC(バンコク・アート・アンド・カルチャー・センター)」にいってきました。
歴史的な作品も、現代的な作品も、仏教などタイの思想が異なる形で反映されていて、とても興味深かったです。また、どの作品も色鮮やかで、前日に観たワット・ポー やワット・アルンなどの寺院も含め、日本とは異なるタイの鮮やかな色使いがとても印象的でした。
さらに、ショッピングモールで見つけた個性的なサイン。何を表しているかわかりますか?
正解は「トイレ」を表しています。
タイで見つけた案内板のデザインなどは、すぐに気づけないものもありましたが、個性的なものが多く、細かな部分でもたのしませるデザインになっているように感じました。
さいごに
事前準備をしっかりとおこない、日本にいるメンバーの協力を得ることで、日本にいるときと同じように働きながら、海外ならではの生活や人との出会いをたのしむことができました。
自分の働き方を見直すきっかけにもなり、時間と場所にとらわれない働き方の可能性を感じることができました。これからも海外や日本各地で、リモートワークに挑戦していきたいです!