不要物も大化けすることがあるんです
子どもの頃から物を作ることは大好きでした。
子ども時代の社会的な環境は物のない時代でしたが、
でも物置に行けば錆びたノコギリくらいはありましたし
針金や空き缶、木材や竹程度の材料ならありました。
それらを適当に使って怪しげなものを作っていました。
10番線程の太さの針金が手に入った時は大騒ぎです。
切断することの大変さも忘れて想像が膨らみます。
自分の最高傑作として今も記憶に残るのは刀です。
それも竹の節を抜いて作った仕込み杖でした。
まず、針金の先をヤスリで落としてキリを作りました。
数時間かけて穴を開けて鞘を作り、
滑らかに抜き差しができるように何度も調整し、
完成させた仕込み杖は小学生の私の宝物でした。
釉薬も100種類程購入しているため全ては覚え切れず
焼成見本がないと釉掛けに手間取ることがあります。
黒土に釉薬をかけることはそれほど多くなないので
黒土用の焼成見本は作ったものがありません。
ということは出たとこ勝負にしかならないことから
リスクが高過ぎて失敗も多くなることになります。
見本は1色ずつタイル状にする作家が多いのですが
私の場合、釉薬の数が多いので楽に探せるようにと
以前、小箱の集合体のような焼成見本を作りました。
これだと一目で釉薬の特徴がわかります。
ただこれには大きな欠点があります。
ノーマルサイズのものを作っていた時に始めたので
薄くしか釉薬をつけられないミニチュアの場合、
どうしても焼成見本と違う結果になってしまいます。
実際に焼きあがったものを見て実感したのですが、
今回の瓶子作りで出てきたこの規格外品を使えば
ミニチュアにぴったりの釉薬の焼成見本ができます。
これからはこれが焼成見本になると確信しました。
私にとってはまるでドラえもんの4次元ポケットから
飛び出してきたかのように思える大変身でした。