2021年K-BOOKフェスティバル最後のイベントは、小説家キム・ヨンスさんと星野智幸さんの対談でした。お二人が初めて出会ったのは2010年の北九州における文学フォーラムで、なんと今回10年ぶりの再会が実現。若手作家として出合ったお二人は今やお互いの国の言語に複数の作品がそれぞれ翻訳され、読者に親しまれています。その10年のお二人の歩み、そしてコロナ禍を生きる小説家の日常について、翻訳家きむ・ふなさんの進行でお話を伺いました。
出会い・小説家が翻訳をすることについて
お二人が出会った10年前は、まだキム・ヨンスさんの作品は日本語に翻訳されたものがなかったそうです。
二人は海外作家の作品を母語に翻訳されているという共通点もあり、キム・ヨンスさんはアメリカの作家レイモンド・カーヴァーを、星野さんはスペインの作家カミノ・ホセ・セラを翻訳されてします。翻訳という作業は、小説の書く上でどのような意味を持つでしょうか。
お互いの作品について
キム・ヨンスさんの近刊『夜は歌う』(新泉社、2020)は、韓国の読者もよく知らない歴史を素材にした小説です。海外の読者はそのような作品をどう読めばいいでしょうか。お二人はお互いの作品をどのように読まれたのでしょうか。
作家のみなさんが最もよく聞かれ、最も困る質問がたぶん「創作のアイディアはどうやって得るのか」でしょうね。星野さんは「ソファーに横になってぼうっとすること」、キム・ヨンスさんは「何か思い出したときすぐメモが取れるノートを持ち歩く」ことだそうです。そしてそれぞれ、「すぐにソファーを買わなきゃ」「じゃ僕はノートを」ということに。
詩のような小説
来年もまたキム・ヨンスさんの新作が2冊、翻訳が予定されているそうです。その一つの『七年の終わり』(仮題)には、キム・ヨンスさんの詩も載っているとのこと。実はキム・ヨンスさん、小説家以前に詩人としてデビューされているのです。
スペシャルゲスト「A」
話もあと少しのところ、キム・ヨンスさんとは15年のお付き合いで、星野さんとも2000年の日韓作家交流でお会いされたキム・エランさんがスペシャルゲストとして登場されました。
キム・ヨンスさんの作家としての魅力を、キム・エランさんは「いつも何かを学ぼうとする人。学ぶということは小説と同じで順序があり、一気にはできず、そのための誠実さを併せ持つ作家」と語りました。そしてキム・エランさんは星野さんの作品についても感想を話しました。
やっぱり最後はビールですね(笑)。実際お会いすることはまだできなくても、3人の作家のお話を小説を通じて聞くことがこれからもどんどん楽しみになります。
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(レポート:ソネン)