だから実家の片付けは進まない
実家を片付けるときは、あまり考えすぎると前に進まない。
他人にとっては価値のないゴミでも、家族にとっては思い出がいっぱい。
そんな思い出も淡々と、あるいは「エイヤー」と、思い切りよく処分しなければ。
父は広島に本社がある地方紙の記者をしていた。
自分の書いた記事をスクラップしていた。
納戸には、こんなのがいっぱい残っている。
被爆者の証言を聞き書きした「証言は消えない」は新聞協会賞を、暴力団追放キャンペーンでは菊池寛賞をいただいた。
勿論、チームの一員として受賞したわけだが、組長宅ヘ警察と一緒に乗り込んだことなどは武勇伝のように聞かされた。
父は0歳で生母を亡くした。
祖母は継母だった。
家事より手芸が好きな人だった。
どれも薄汚れて色褪せている。
でも、このショールだけは取っておくつもり。
アルバムを見始めたらキリがない。