不幸中の幸い
人は不幸な目に遭ったとき、
誰かと比べ、
もし…だったら、と
最悪のケースと比べ、
不幸中の幸いだったと
自分を慰め、励ます。
久々にランチでも…と、友人からお誘いがあったが、骨折したので、完治してからね、と返信した。
間もなくお見舞いの電話がかかってきた。
(以下、2人の会話を再現してみました。一部心の声もあります)
大変だけど、ギプスで済んでよかったわ。
手術じゃなくて。
たしかに。
変な言い方だけど、夏場じゃなくてよかったわね。
ほんとにね。
真夏のギプスは耐えられない。
近所の床屋さんは、自転車で転んで、両手を骨折したのよ。
床屋さんで両手はきついかも。
はは、わたし、ピアノの先生じゃなくてよかった、と戯けてみせる。
友人は家でピアノを教えている。
そういうわたしも、仕事に穴を空けているけど。
でもね、手の方がマシよ。
足よりは。
そうそう、松葉杖は大変よね。
散歩も出来て、気晴らしも出来るしね。
わたし、サッカー選手じゃないし。
ご主人がいてくれてよかったじゃないの。
いつもは悪口ばかりいっているけれど、夫が退職していてよかった。
まぁ、あまり借りはつくりたくないけど。
あの手この手で慰めてくれる友人に感謝。
どんな不幸な境遇でも、死ぬよりはマシ。
命あっての物種。
生きてるだけで丸儲け。
骨折ぐらいで大騒ぎすることはない。