
「プラス2℃」温暖化が進むと
妙に暖かい小春日和の日もありますが、秋を通り越して、一足飛びに冬がやって来ました。
もうすぐ12月なので、間違いなく冬なのですが、夏が長過ぎて、完全に感覚がおかしくなっています。
熱中症で亡くなる人が毎年後を絶ちません。
地球は最早、人類が住める環境ではなくなっているのかもしれません。
異常気象が人類を脅かす「プラス2度」の世界が近づく。地球の平均気温は観測記録を更新し続けている。11日に国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)が始まったものの、国際社会の足並みはそろわない。米国では脱炭素に後ろ向きなトランプ氏が再び大統領に就く。
日本経済新聞朝刊より引用
11/18から5回にわたって日本経済新聞に連載された『プラス2℃』を読み、異常気象は想像以上に危機的な状況を引き起こしていることを知りました。
記事の内容を簡単にご紹介します。
①気候難民、50年に2億人
温暖化が進んだ未来の日本は巨大台風、極端な豪雨が増えると科学者は予測する。
日本の洪水リスクは2度上昇で2倍に増す。
世界的に見ると、水没や水害、干ばつで住めなくなる地域が増え、移住を余儀なくされる人は50年には2億6000万人に膨れ上がる。(世界銀行の予測)
大量の難民や移民が押し寄せる欧米では、政治的な対立が深刻化している。
気候変動の責任の所在を巡る先進国と途上国の対立もある。
②農業耕地、50年で3割減
気候変動の影響で絶滅危惧種となった野生生物が急増している。
生息地の環境悪化で食物がなるなることが大きな要因だ。
人間も例外ではなく、記録的な干ばつなどにより食料危機が忍び寄っている。
国連は7月、23年に世界で7億5700万人が飢餓に直面したとの報告書を出した。
日本では、海水上昇の影響で北海道で昆布の生産が減少、冬に旬を迎えるカキの生育も遅れている。
牛も猛暑で体調を崩す。
家畜も農作物も暑さに強い遺伝子、品種の開発が進められている。
過酷な環境を逆手に取る発想としては、コメの二期作などがある。
③交通インフラ 損失 3兆円
猛暑など様々な災害による鉄道や道路の被害が国内総生産(GNP)の1%に達する国もある。
世界の予想年間損害額は最大3兆円に及ぶ可能性があるという。
暑さによるレールのゆがみや道路の舗装の融解などのメンテナンス費用がかかる。
日本でもこの夏は災害を避けるため、予め新幹線などの交通機関が運休を発表した。
デジタルインフラも暑さに脆弱だ。
サーバーが故障する危険があるため、寒冷地にデータセンターを設置する動きが相次ぐ。
気温が上昇すると海水温も上がり、雲が蓄える水分量が増えるために、豪雨、豪雪を引き起こすと考えられている。
冬場は豪雪による立ち往生なども懸念される。
④蚊による感染、5億人増
生物に取って最も多くのヒトを殺傷してきた蚊にとって気候変動は種を繁栄させる好機となる。活動できる期間が延び、生息地域が拡大する。
蚊による病期の感染者数は50年までに5億人ふえると予測されている。
近年よく聞くデング熱も感染源は蚊だ。
いろいろな感染症の温床となるダニ、ノミ、コウモリが気候へに寄って活動の場を広げている。
「地球温暖化は間違いなくパンデミックを引き起こす背景原因の一つだ」と尾身茂氏は指摘する。
北極圏の永久凍土には太古の病原菌が眠っているといるとも言われている。
⑤「働けない」損失100兆円
熱ストレスによる労働損失は世界で既に約100兆円といわれる。
夏の盛りには、屋外の工事などは、労働時間を減らさざるを得ない。
アメリカでは物流の長距離トラックドライバーが熱中症で倒れる事故が相次いでいる。
労働災害も増えている。
厳しい環境を生き抜く強い身体づくりの研究と、気候に対応した新しい働き方の確立が求められる。
長文になってしまいましたが、知れば知るほど恐ろしい地球温暖化。
夏が過ぎ、喉元過ぎれば…ではなく、年間を通じて、世界規模で立ち向かっていかなければならない問題だと痛感しました。