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アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック / メトロポリタン美術館
落とし穴
慢心の
先にまさかの
落し穴
料理の達人気取りの夫が、
慣れた手つきで天津飯を作っていた。
カニカマで作っても
天津飯は天津飯。
卵はいい塩梅に焼けた。
上からかけるのは甘酸っぱい餡。
最後に加えたとろみ付け
片栗粉がダマダマになった。
さりげなく泡立て器を差し出す。
しかし、時既に遅し。
臨機応変に、片栗粉のダマをすくい取る作戦に変更。
味見したら、
飛び上がるほどのしょっぱさ。
お父さん、砂糖と塩間違えてない?
絶句。
直ちに、作り直す。
夫が砂糖と水を小鍋に入れていたのを
てっきり洗い物だと思い込み、流しに流してしまった。(わたしが)
再々チャレンジ。
慌てて作った餡をかけたものの、
餡は濁ってツヤがない。
サラサラでとろみがない。
案の定。
お父さん、粉っぽいよ。
もっと加熱してかき混ぜなきゃ
粉に火が通ってないみたい。
夫を逆ギレさせないように
努めて何でもないことのように告げる。
夫は無言。
踏んだり蹴ったり。
こんな日もあるよね。
負けず嫌いの夫は
何でもないような顔をしているけれど
心の中で歯ぎしりして、
リベンジを誓っているに違いない。
(いつもnoteのネタを有難う)