見出し画像

持続可能なファッション

先日、NHKBSで、
フロンティア その先に見える世界「ファッションの未来」という番組を視聴し、衝撃的な事実を突きつけられました。
感想を交えて、内容を簡単にご紹介します。

    
人類は長い歴史の中で、様々な服を生み出し、身にまとってきた。
しかし、現代のファッション産業には問題点が数多くある。


チリ アタカマ砂漠
世界のファッションの
墓場になっていうという


今ファッションが環境に与える影響が無視できなくなっている。
その原因は、服の過剰生産。
 地球規模で見ると、もう服は作らなくてもいいほど供給されている。

世界では、服の40%は着られずに廃棄処分されているという。
成長し続けなければ…というファッション業界のプレッシャーが、企業を大量生産に走らせる。

たしかに…
ユニクロ、H&Mなどに行くと、だだっ広い店内に大量の衣料が陳列され、果たして全部売れるのだろうかと思う。
しかも同じような店舗が世界的に展開されている。
大量生産の安価な衣類が出回り、「長く大切に着る」から、使い捨て感覚でおしゃれを楽しむ人が増えているようだ。
1枚買ったら1枚捨てましょうと唱える人もいる。

環境負荷の軽い繊維への代替、染料化学品の改良、
リサイクルなど
さまざまな取り組みがなされているが、根本的解決にはならない。

コットンのシャツ1枚を作るのに2720リットルの水を使い、温室効果ガス3.5キロを排出するという。
これが全世界では年間21億トンになるそうだ。

産業別では3番目に環境負荷が
高い

そして、厄介なのが化学繊維。
埋め立てても、焼却しても分解されない。

今、服を作って売る人の責任が問われている。
ファッション業界は大きな変革に直面している。

ファッション先進国のフランスでは、2022年、売れ残り衣料品の廃棄禁止を定めた法律が施行された。
これを受けてメーカーも、無駄を出さないように生産から見直す必要に迫られた。
ある子供服メーカーでは、生産を販売予定の6〜7割程度に抑え、デジタルプリント機を使ってすぐに生産できる体制にした。
2023年には、EUでもこれに倣う動きがあり、この流れは今後世界に拡がっていきそうだ。

綿とポリエステルなど複数素材の混紡材はそのままではリサイクルできないので廃棄するしかなかった。

それを熱と圧力だけで分離し、素材として再生することができる注目の技術が香港の研究機関とスウェーデンの財団によって開発された。
この技術が実用化されれば、大きな前進になる。


また、日本発の新しい取り組みもある。
タンパク質由来のバイオ素材で繊維を作るという研究が進められ、実用化されている。

微生物に設計図としてDNAを組み込めば、硬い素材、柔らかい素材、様々な性質のものを自在に作ることができるという。
微生物は20〜30分で倍々に増殖する。
バイオ由来の素材は環境分解でき、土に埋めれば土に還る。

しかし、この微生物由来の新素材は、本当に土に還しても問題ないのか。
正直なところ、ちょっと不安だ。

服は、暑さ寒さを凌げれはよいという機能面だけで選ばれるのではない。
ファッションは自分を鼓舞したり、表現したりする手段であり、選ぶ愉しみ、着る愉しみがある。
それを奪われるのはあまりに寂しい。

番組はこのように結ばれた。

長い歴史の中で自由に服装を選び、着こなし、ファッションを味わい尽くして来た人類、これから私たちは何を着て生きていくんだろう。