子育ての流儀
市の子育てサポートに登録して、依頼があればお仕事をしている。
ボランティアとアルバイトの中間ぐらいの感覚で。
お母さんの運転免許更新とか、通院とか、単発での利用もあるが、わたしの仕事の大半は、共働きのご家庭でサポートをすること。
朝は着替えや食事のお手伝いなどの登園準備。
保育園までの同行することもある。
園やお稽古事のお迎えに行く日もある。
お風呂上がりを受け取ってタオルで拭き、パジャマを着せる。
おもちゃで遊ぶ。
一緒にゲームをする。
絵本を読む。
お絵描きをする。
字を教えてくださいといわれることもある。
もう何でもありの「よろずや」である。
各家庭それぞれに子どもの育て方、暮らし方は違う。
それはもう、驚くほど違う。
子育てサポートには当然、守秘義務があるから、あまり具体的には書けないけれど、このように家の内部にまで入り込むお仕事はなかなかないだろう。
『家政婦は見た!』の心境だが、そこは噯にも出さず、淡々と仕事をこなす。
テレビの見せ方ひとつとっても、親御さんの価値観が反映されている。
そもそもテレビは見せないという家庭もある。
おもちゃの与え方も十人十色で、
無闇におもちゃを買い与えず、
メルカリなども積極的に利用したり。
おもちゃをふんだんに与え、兄弟で取り合いにならないように、同じものも複数揃えているご家庭もある。
サブスクでおもちゃをレンタルするご家庭。
おもちゃが増えないし、飽きてしまっても、新しいおもちゃがどんどん試せる。
食事に関しても、働くお母さんは合理的だ。
料理はすべてホットクック(シャープ)でというお宅がある。
材料を入れてほったらかしにしておけば料理ができる便利な調理家電だ。
バランスのとれた献立が並ぶ。
そうかと思えば、朝は専ら、子どもが手づかみで食べられる小さく切ったパン。
フルーツやヨーグルトも付くが、
栄養のバランスが気になる。
でも、口出しはしない。
お父さんが頑張って作っている。
家事は手伝ってはいけないというルールもある。
園では給食も出るし一日単位、数日単位で栄養のバランスがとれていればそれでいいのだと思う。
ケーキやアイスクリームは3歳ぐらいまで食べさせてもらえないのが一般的なようだ。
それに引き換え、わたしの3歳の孫は、生魚以外、ほぼ大人と同じものを何でも食べている。(食べさせられている)
ケーキやアイスも大好き。
キムチなど辛いものも好むらしい。
上の写真は何でも貪欲にかぶりつく孫の姿。
わたしは我が子の子育てにも、極力口出ししないことにしている。
若いお母さんに助言を求められることもあるが、明言は避ける。
唯一いえることは、子育ての正解は誰にもわからないということ。
親あっての子どもだから、親が完璧を目指して無理をし過ぎると、共倒れになってしまう。
子育てサポートを利用される親御さんは、サポートを利用して自分を少し甘やかす術を知っている。
いろいろな意味で余裕がある。
子育てには、大きな喜びがあるけれど、同時にリスクもある。
子どもを優先して、自分を犠牲にしなければならないこともある。
リスクをとって、どれだけリターンがあるのか。
現代人はコスパで動く。
新聞で人口危機の記事を読んだ。
このままだと、1億2400万人の人口は2100年には6300万人に半減すると推計されているそうだ。
今から手を打たなければ間に合わない。
人口減少で、社会や経済、地域が持続可能なのか、不安は募る。
外国人労働者の受け入れと出生率の上昇を図っていかなければならない。
しかし、子どもを持つ持たないは個人の自由だから、決して強要はできない。
難しい問題だ。