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母と病院へ
お正月という一大イベントも終わり、ホッとしたのも束の間、昨日は重要なミッションがあった。
9月に癌の手術を受けた母の経過を診る検査日だった。
入居する施設には、車椅子ごと乗れる車両があるが、生憎運転できる人がお休みのためタクシーを予約して貰った。
てっきり介護タクシーかと思ったら、普通のタクシーだった。
乗り降りには苦労したが、運転手さんが車椅子を運んでくれたりしてとても助かった。
受付は機械に診察券を差し込むだけなのでスムーズだが、検査ごとにエレベーターを使って広い病院内を移動するのは大変だ。
亡くなった父を検査のために病院内をあちこち連れ回したことを思い出した。
脳梗塞を克服したと思ったら、血液検査をきっかけに癌が見つかった。
内視鏡検査はカメラが途中までしか入らなかった。
高齢になると検査で体力を消耗する。
大きい病院は移動、待ち時間がストレスになる。
同時期に母の腰痛が重症化し、痛みで殆ど動けなくなった。
整形外科では原因がわからず、県立病院で脳の検査をすることになった。
認知症ではあるが、脳の萎縮はほとんど見られなかった。
ならば、老人性のうつ病では?と疑われて診察を受け、最終的に脳の血流を調べるアイソトープ検査までした。
この検査は高額で、確か2万〜3万かかったが、原因らしきものは見つからなかった。
病院の待合室では、腰の痛みを訴えて、ソファで横になることもあった。
あの頃はわたしも、どうしたものかと途方に暮れていた。
その後末期癌の父と一緒に母も高齢者施設に入居した。
すると元気を取り戻し、普通に歩けるようになった。
多分、不安やストレスが原因だったのだと思う。
両親の思い出話になってしまったけれど、病院で診察を待つ人々の中には、高齢のご夫婦が多い。
一方が車椅子を押して支え合う姿は将来の自分たちの姿を見るようだ。
診察や検査で院内を大移動し、終わっても会計でまた待たされる。
病院というところは、付き添うだけでもどっと疲れる。
老老介護の負担は相当なものだと思う。
今年、団塊の世代がすべて後期高齢者(75歳以上)になるというニュースを見た。
約5人に1人が後期高齢者の仲間入りをし、これを2025年問題というらしい。
当事者である高齢者は勿論、介護も医療も、高齢者を支える人にとっても大変な時代に突入した。
母を無事施設に送り届け、家まで歩いて帰った。
夕映えの富士山
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