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男たちの茶話会

夫は定年退職後、朝は寝たいだけ寝ていた。
酷いときには、9時前まで起きて来なかった。
現役時代は、7時過ぎには家を出ていたので、わたしの生活パターンも激変した。

1日のスタートが遅くなって、生活のリズムが狂ってしまったが、夫が起きて来るまでが、noteのゴールデンタイムだった。

しかし、このような自堕落な生活を続けていてはイカン、と思ったのか、ある時から6時前に起床し、散歩するようになった。

そんな朝の散歩の途中で、町内会で一緒に理事をしていたAさん(60代)と久しぶりにバッタリ会ったらしい。

町内会は、古くからの地主系の人が幹部を務め、新しく近隣のマンションなどから越してきたサラリーマン家庭が新規加入して膨れ上がって今がある。

夫は役員をやっているときに、旧態依然とした町内会の運営、主に会費の使い途に苦言を呈した。
マンションからの移住組数名が賛同した。

至極真っ当なことを言ったまでなのだが、痛いところを突かれたのか、地主組から煙たがられ、排除されそうになった。

ここに住めなくなったら困るからそのくらいにしたら?と、わたしは釘を刺した。

夫もだんだんアホらしくなって、深追いはしなかったが、モヤモヤした気持ちは燻っていた。

その時に、町内会の運営に疑問を持った同志と散歩の途中に遭遇したのである。

久々にお話しでもしましょう、ということになったらしく、もう一人の元理事仲間(70代)にも声を掛け、近所の喫茶店で男三人の茶話会となった。

夫は同級生や会社時代の同僚とたまに会食をすることがあるけれど、地域の人との交流はなかった。

これはとてもいい兆候だ。
これからは地域の人とも仲良くして、呑み会でもなんでもじゃんじゃんやってほしい。

と妻は思うのであった。