見出し画像

楽しくなるのかな

「楽しい日本」

この言葉が、どんな文脈で語られたのかわからなかった。
藪から棒で、浮ついた感じがした。
石破さんの口から出ると、正直あまりの楽しそうに思えないのが残念。

楽しい日本になることを石破さんが保証してくれるのか、それとも皆で楽しい日本にしていきましょうと叱咤激励されているのか。

1月25日の朝刊を引っ張り出して、石破首相の施政方針演説を斜め読みしてみた。

  故堺屋太一氏は著書の中で、明治維新の中央集権国家体制では「強い日本」を目指し、戦後の復興や高度経済成長下では「豊かな日本」を目指して来たけれど、これからは「楽しい日本」を目指すべきだと述べているそうだ。
石破さんはこれに共感したらしい。
この著書は、いったい、いつ書かれたものなのだろう。

かつて国が主導した「強い日本」、企業が主導した「豊かな日本」、加えてこれからは、一人一人が主導する「楽しい日本」を目指したい…
と石破さんは述べている。
すベての人が安心と安全を感じ、自分の夢に挑戦し、「今日より明日はよくなる」と実感できる。多様な価値観を持つ一人一人が、互いに尊重し合い、自己実現をはかっていける。そんな活力ある国家、それが「楽しい日本」ということらしい。 

今まで何度も聞いたような美辞麗句ばかり。

そして、楽しい日本を実現するために地方創生に力を注ぎ、「令和の日本列島改造」を進めていく、ということだ。

日本列島をどのように改造するつもりなのだろう。

田中角栄首相時代の日本列島改造は鉄道や道路などのハードなインフラ整備で人の流れを生み、国土を発展させることを目指した。
令和の日本列島改造では、地方の潜在的魅力を引き出すことによって、ハードだけではなくソフトの魅力で人の流れを生み出す、という考え方らしい。
魅力的な話だけど、安易なバラマキだけはやめてほしい。


今の日本で心の底から「楽しい」と思って暮らしている人はどれだけいるのだろう。
この物価高を何とかして欲しい。
物騒な事件も後を絶たない。
中高年には老後の不安があるし、若い人には若い人なりの将来への不安があるだろう。
だけど、贅沢はいっていられない。
戦争もなく、平和な国であることは有り難い。
平凡な日常に感謝したい。
平凡な中にも、日々何かしら新しい発見、よろこびがあるはず。

お仕着せの楽しさではなく、自分を楽しませるのはやはり自分しかいない。