下町ライフ
娘は今、東京の代表的な下町で暮らしている。
〇イとか〇〇ネもあり、街道筋には古くからの商店街もある。
国立、私立の大学もあり、学生相手の店も多い。
いくつもの路線が交差するターミナル駅だ。
大手町、青山などの都心にも乗り換えなしで行ける。
昨年娘一家は、築ウン十年の駅近戸建てに引っ越し、下町ライフにどっぷり浸っている。
わたしもこの街の魅力にハマっている。
わたしの故郷とも違い、長年住み慣れた郊外の住宅街ともまったく違う、ザ・下町。
娘夫婦は、生え抜きの住人、地主さんや元PTA会長さんなどとすっかり仲良くなり、家族ぐるみのお付き合いをさせてもらっている。
お祭りや町内運動会、とにかく行事が盛大だ。
地主さんや商店主の寄附が多く、賞品や配り物が太っ腹。
節分祭には、豆が飛んでくるのかと思いきや、食パンやお菓子を袋いっぱいキャッチして帰ってきたようだ。
娘のダンナさんは休日に子どもたちとサッカーをしている。
名古屋在住の息子が上京し、娘の家に一泊した。
わたしも訪れたことがある、下町価格の大衆酒場でみんなで呑んだらしい。
二次会は娘の自宅にご近所さんが集まった。
隣人はいつもおかずやお酒を差し入れてくれる。
3歳の孫の仲良しクラスメイトも来ていたらしい。
お蕎麦さんのお子さんなので、書き入れ時の大晦日にもお預かりして、とても感謝されたらしい。
こういう濃厚なお付き合いは苦手な人も多いと思うが、ちょっと羨ましくもある。
娘のお産のときは、わたしが娘宅に泊まり込んで手伝うことになっている。
娘が入院し、孫が保育園に行っている間は自由にしていいよと言われているが、毎日物見遊山というわけにもいかないだろう。
ちょっとしたプレッシャーを感じつつも、下町ライフに憧れるワクワクする気持ちもある。