〇〇恐怖症
植物系の何かが、異常なほど密生しているのを見ると、軽く目眩がしたり、吐き気を催すことがある。
いつもの散歩道で、赤くて小さな実がたわわに実っている。
ビッシリ隙間なく実をつけていて盛り上がったようになっている。
枝が見えないほどだ。
これほど密集しているとなぜか息苦くなる。
千両、万両、クロガネモチなどが実をつけているのはかわいいと思えるのに。
春先は、我が家の近所は黄色いモッコウバラが花盛りになる。
生け垣として人気なのか、そこらじゅうで見かける。
一つ一つの花は小さくて可憐なのに、団子状になって咲いているのを見ると、なぜか胸がムカムカしてくる。
白いモッコウバラなら何ともないのに、なぜ黄色はダメなのか、自分でも不思議だ。
黄色い花がすべて嫌いなわけでもないけれど、一番苦手なのは、セイタカアワダチソウ。
びっしり繁茂しているのを見ると、あまりの生命力に圧倒される。
苦手というより、恐怖すら感じる。
【〇〇恐怖症】
理由は説明できないけれど、人間には、心と体が拒否反応を示すものがある。
調べると、ブツブツや小さい穴が密集しているのが苦手という、集合体恐怖症というのがあるらしい。
わたしの場合は、これとは違うようだ。
ついでに、恐怖症というのを調べてみると、際限なく出てくる。
高所恐怖症、閉所恐怖症、先端恐怖症はよく聞くけれど、
変わったところでは片栗粉恐怖症というのもあった。
あのキュッキュという音が苦手な人らしい。
その程度なら生きていく上で大した支障にもならないだろう。
わざわざ名前を付ける必要があるのかも疑問。
わたしは、黒板とチョークが擦れる音が苦手だ。
ピエロ恐怖症は聞いたことがある。
そんな人は、サーカスや、映画『ジョーカー』は観ないほうがいい。
これも生きていく上であまり問題はなさそう。
女性恐怖症、男性恐怖症などと聞くと、微笑ましく感じることもあるが、対人恐怖症、赤面恐怖症など、人間関係の悩みは、当人にとっては深刻な問題だ。
わたしも若いときにはその傾向があった。
恐怖を感じる対象をなるべく避けるようにするのか、それとも頑張って克服するのか。
人間誰しも、何かしら苦手なものはある。
生理的に受けつけないものはとことん回避すればいいし、
普通に生きていける程度なら
まぁ、問題ないだろう。
〇〇恐怖症の〇〇に、固有名詞が入ることもある。
あの人とはどうにもソリが合わないというのなら、無理に仲良くする必要もないよね。