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我が家の老人問題〜一歩前進?

夫の母はこの夏一月半、自主的に入院していた。
その間に要支援1の認定が出て退院した。
もともと入院する理由はなかったが、夏を生き延びるための緊急避難だった。
高齢者が長期入院したら、必ずといっていいほどボケが進むという。
94歳の義母も例外ではなかった。
認知症未満だが、まだらボケの症状が見られるようになった。
退院した翌日には我が家に4回電話が掛かって来た。
わたしの母がガンの手術をしたことを初めて告げたら、
お見舞いの電話が同じ日に2回掛かってきた。

わたしも以前から親しくさせてもらい、連絡を取り合っている義母の住むマンションの大家さんと電話で何度かお話しした。
大家さんは義母から民生委員を引き継いだ方だ。
やはり、入院前とは少し様子が違うようで、心細く、ひとりで食事をするのが寂しいといっているらしい。
そして驚くべきことに、自分からデイサービスに行きたいと申し出たという。
あんなに毛嫌いし、馬鹿にしていたデイサービスなのに。
大きな心境の変化があったようだ。

わたしもチャンスとばかりに、デイサービスも、それぞれ特徴があり、内容も雰囲気も違うので何箇所かお試ししてみたら?と義母に勧めてみた。
大家さんも、ケアマネジャーさんと相談して、お義母さまに合いそうなところを紹介しますね、といってくださった。

数日後、本人から、
今日デイサービスに行ってきました、とても楽しく良い日だったと報告があった。

デイサービス素晴らしい!
介護保険有り難い!
ひとまず、ホッとした。

一方、今月大腸癌の手術をした89歳母。
経過は順調で、昨日で点滴は終わり、水分補給だけになった。
食事もお粥と普通のおかずに、栄養補助食品の飲料やゼリーも付く。
毎日面会に行って様子を見ているが、食べる気力がなく、食事が進まない。
ほとんど食べないときもあり、昼夜は2割ぐらい。
無理に勧めると、食べなくない、まずいといって断固拒否する。
何でも好きなものを差し入れてくださいといわれ、プリンやおはぎを持っていってみたが、せいぜい2口か3口を口にする程度。

食べたくないものは食べたくない、そうまでして生きていたくないとまでいう。
無気力、厭世的になっている。
当惑するばかりだ。
まぁ、手術前からこんな感じだったけれど。
食べるため、生きるために手術をしたのに。

ボケているので、自分がどんな手術をしたのかも毎回説明しないとわからない。
痛み止めも減らされたのか、昨日は初めてお腹の皮が痛いといい出した。
大きなは手術だったから傷口が痛むのだろう。

寝ているときは穏やかなのに、起きているときは、顔を歪めている。
曾孫たちの写真を見せると一瞬笑顔になる。
退院したら会えるよ、と励ます。

寝間着の胸元がはだけて、肋が浮き、手足も骨と皮。

食欲さえ出ればすべてが好転するのに…と思う。

それでも手術は成功したので、来週早々退院することになった。
病院から老人ホームに現状は伝えられている。
果たして戻ってうまくいくのだろうか。