【旅の話⑨】 カンボジア・シェムリアップ 《後編:アンコールワットに気づかない僕らと、そこで暮らしを営む人々》
↓前編はこちら↓
今日はいよいよ、自転車でアンコールワットをはじめ、シェムリアップの遺跡群を巡りに。
よーく寝れた。
お腹も大丈夫。体調も万全。
(↑部屋の窓からは小学校が見える。朝の体操してるっぽい)
朝からヒッキーにゆっくり太陽礼拝を教えてもらい(プロ、贅沢!)、朝飯食ってるとゲストハウス犬が膝に乗ってきて動けなくなる。激可愛い。
遺跡までの距離的に自転車でもいけると踏んで、宿の自転車を借りた。経済的やし、小回りが利く。
現れる遺跡群
大体の行き方を聞いて(アナログが好きな我々)、アンコールワットへの旅へチャリで身軽に出発。
遺跡群に入る許可証をゲット。
(↑清掃ボランティアのおばちゃん。おっとり朗らか)
とはいえ結構距離あるやろうなと思いつつ、体力にものを言わせて乗り切ろうと思ってたら、いくらかも行かないうちに簡単に現れてくる遺跡群。(笑)
ふと足下を見ると、地面から遺跡のかけらが覗いてることも。
アンコールワットやタプロームだけじゃない、そこら中に遺跡が点在してる。
インドネシアやペルーのインカ、メキシコのアステカなどの遺跡群にも行ったけど、ここで感じた違うエネルギーは多分、
そこで生計を立てて、暮らす人々の生活感が、風景と濃くブレンドされた感やと思った。
タプローム、ここみたいだよ、とヒッキーが言う。
格安スマホでモードいじらず撮った写真、加工なし(大体全部そう)。
ちょっと圧倒された。
物売りをする女の子
気がついたら、午後になってた。暑い。
自転車で、さらに進む。いくつも遺跡をチラ見しては通り過ぎた。
サトウキビジュースを補給しつつ。
日本語で「3個、1ドルー」を果てしなく繰り返しながら、どこまでも付いて来る物売りの女の子がいた。
機械的にずーーーっとその言葉を繰り返すんやけど、名前を聞いて、笑顔がめっちゃええやんと目を見ながら声をかけると、それ以上言ってこず普通に喋ることが出来るようになった。英語がちょっと通じる。
つながれない感じを、ちょっと解消できたことが嬉しかった。彼女がどう感じたかは、分からない。
名前を呼んで、「バイバイ」と手を振ったときの寂しそうな表情がチャリを漕ぐ僕の背中に突き刺さった。
アンコールワットの行方
それにしても、どこまで行ってもアンコールワットに着かない。地図(アナログ)を頼りに進んで来たけど、どう考えてももう着いてるはず...。
結構な距離を漕いでだいぶ疲れてきた。
なんとかWiFiをゲットしてGoogle Mapを発動すると、
...あら、通り過ぎとる。
見たけど、違う感じがしてスルーしてた。とりあえずひとしきり笑った。力が抜けた。
気を取り直して向かう。改めてよく見てみると、そのまんまやった。笑
(けどやっぱり思ったより閑散としてる)
流石の造形美。
話すのを忘れて、しばし静かに見て回った。
周りは森で、雰囲気たっぷり。
夕方に近づいて涼しくなってくると、それなりに混んできた。
階段が急すぎ。ちょっと怖い。
どの遺跡もそうやけど、作ってるところを想像すると気が遠くなる。宇宙人説も結構信じてる。笑
出る頃には、流石にヘトヘト。街へ帰った。
帰り道は寄り道しないし、涼しくて軽快。
巷で流行りまくってた羽を蹴るスポーツをやってみたくておじさんに挑戦状を出し、
屋台でおばちゃん&娘と喋りながら、まったり、ゆっくり振り返った。
2人とも足がパンパン。
心に何が残ったか、見えていた景色、聞こえていた声、それぞれ違うものもたくさん受け取っていた。この後どこに行くのか、これからの人生どうするのか、たくさん話したのを覚えてる。
次の朝、ヒッキーとは別れてそれぞれの旅へ。彼はもう何泊かしたんやったかな。
僕はバスでプノンペンに向かう途中にある、バッタンバンという村(地雷撤去の前線としても有名)へ向かって、
インフラがほとんどない田舎で言葉も通じず、初めて会う家族にお世話になる。
どんなところかも全然知らないし、まず、会えるのかがわからない。笑
↓↓